タイトル:外国人雇用状況報告(平成11年6月1日現在)の結果について 〜東・東南アジア出身者は増加、中南米出身者は減少〜 発 表:平成11年12月3日(金) 担 当:職業安定局外国人雇用対策課 電 話 03-3593-1211(内線5766) 03-3503-0229(夜間直通)
1 趣旨 労働省では、平成5年度から、外国人労働者の雇用状況について事業所ごとに年 1回報告を行う「外国人雇用状況報告制度」を実施している。本制度は事業主の協 力に基づき、個々の事業所における外国人労働者の雇用状況を把握し、外国人労働 者の雇用の安定を含めた地域の労働力需給の適正な調整と外国人労働者に対する適 切な雇用管理の促進を図ることを目的としたものである。 今般、同制度に基づき、平成11年6月1日現在で、外国人労働者を雇用している (以下「直接雇用」という。)か、又は外国人労働者が労働者派遣、請負などによ り事業所内で就労している事業所から管轄の公共職業安定所に提出された報告を集 計し、別添のとおり取りまとめた。 2 報告の概要 (1)報告を行った事業所及び外国人労働者の概要 報告を行った事業所は全体で19,483所、外国人労働者の延べ人数は191,472人 であった。前回(平成10年)と比べると、事業所数は279所(1.5%増)、外国人 労働者の延べ人数は1,658人(0.9%増)の微増であった。 イ 直接雇用について 外国人労働者を直接雇用している事業所数は17,367所、外国人労働者数は 115,038人であり、前回の報告結果に比べ、事業所数は419所(2.5%増)、外国 人労働者数は285人(0.2%増)の増加であった。 @ 産業分類別では、事業所数、外国人労働者数ともに「製造業」が最も多く、 これに「サービス業」、「卸売・小売業、飲食店」を合わせた上位3分類で、 全体の約9割を占めていた。 A 事業所規模別では、事業所数、外国人労働者数ともに「100人〜299人」規模 が最も多かった。前回と比べると、外国人労働者数では、「1,000人以上」規 模での増加及び「100人〜299人」、「500人〜999人」規模での減少が顕著であ った。 B 1事業所当たりの外国人労働者数の平均は6.6人(前回6.8人)であった。 ロ 労働者派遣、請負などによる事業所内での就労について 3,677事業所から、76,434人について報告を受けた。これは前回と比べると、 事業所数は52所(1.4%減)の微減、外国人労働者数は1,373人(1.8%増)の微 増であった。また、外国人労働者の延べ人数に占める割合は年々増加しており、 今回は39.9%となった(前回39.5%)。 @ これらの外国人労働者のうち約9割が「製造業」で就労している。 A 事業所規模別にみると「100人〜299人」規模が事業所数、外国人労働者数と もに最も多かった。 B 1事業所当たりの外国人労働者数は20.8人(前回 20.1人)であった。 (2)直接雇用の外国人労働者の属性 イ 男女別には、前回と比べて男性が0.9%減少、女性が2.3%増加した。 ロ 職種別にみると、「生産工程作業員」が最も多く、次いで「専門・技術・管理 職」となっている。前回と比べると、「運搬労務作業員」の減少及び「建設土木 作業員」の増加が顕著であった。 ハ 出身地域別には、「中南米」が58,135人で全体の50.5%と最も多く、次いで 「東アジア」、「東南アジア」となっている。前回と比べると、「東アジア」は 2,462人(9.1%増)、「東南アジア」は1,183人(11.3%増)増加した。これら の地域を合わせると、平成5年より一貫して増加しており、平成5年に比べ約 1.8倍となっている。その他の地域については、「中南米」が前回に比べ2,639 人(4.3%減)減少し、前年に引き続き2年連続で減少するなど、全体として、 減少傾向であった。また、中南米出身者のうち「日系人」は52,393人で、中南米 出身者の9割程度を占めているが、前回に比べ1,744人(3.2%減)減少した。 ニ 在留資格別にみると、「日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者」(以 下「就労の制限なし」という。)が68,951人で、全体の59.9%と最も多く、次に 「特定の範囲で就労可能な在留資格」(以下「特定の範囲」という。)が29,350 人で、25.5%を占めている。これは、昨年とほぼ同じ割合である。 ホ 正社員率は職種別にみると、「営業・事務職」、「専門・技術・管理職」で高 く、「販売・調理・給仕・接客員」で低かった。事業所規模別にみると、規模が 大きいほど正社員率が低い傾向が見られた。全体では37.3%で前回(40.8%)と 比べ減少した。 (3)直接雇用の外国人労働者の産業分類別、事業所規模別特徴 イ 産業分類別の特徴としては、「製造業」では在留資格「就労の制限なし」、 「中南米」出身者及び「生産工程作業員」の割合が大きい。また、一方「サービ ス業」では、在留資格「特定の範囲」、「東アジア」出身者及び「専門・技術・ 管理職」の割合が大きい。 ロ 事業所規模別の特徴としては、規模が大きくなるほど、「生産工程作業員」の 割合及び「中南米」出身者の割合が低下し、「専門・技術・管理職」及び「東ア ジア」出身者の割合が増大する傾向が見られた。 (4)直接雇用の外国人労働者の入職、離職状況 過去1年間の入離職の状況は、入職者が55,470人、離職者が45,985人と、入職 者が離職者を上回っており、入職率は48.2%、離職率は40.0%、入職超過率は 8.2%であった。前回と比べると、入職率、離職率及び入職超過率は低下した。 産業分類別では「電気・ガス・熱供給・水道業」、「不動産」を除く全ての産 業において、また、事業所規模別では全ての規模において入職超過であった。 (5)地域別の事業所数、外国人労働者数及びその特徴 直接雇用について、都道府県別にみると、事業所数は東京、愛知、静岡、大阪、 神奈川の順で、外国人労働者数は東京、愛知、静岡、神奈川、長野の順で多く、 いずれもこれら上位5都府県で全体の約5割程度を占めている。