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建設業高齢者雇用改善研究会報告書の骨子
1 建設業における高齢技能労働者の活用の必要性等
1 少子・高齢化への対応
今後、若年労働力の確保が一層困難になることが予測されるなかで、建設業に
おいて必要な労働力を確保していくためには、若年労働者の入職を促進していく
だけではなく、建設業で働く技能労働者がより高年齢になっても働き続けること
ができる環境を整備していくことが不可欠。
高齢技能労働者が働きやすい環境の整備は、労働者全体が働きやすい環境の整
備や建設業全体のイメージアップにもつながり、若年技能労働者の入職促進にも
有効。
2 建設業を担う優れた技能労働者の確保・育成
建設業が我が国の経済・雇用を支える基幹産業としてその役割を果たしていく
ためには、より質の高い技能労働者を確保し、育成していくことが必要であり、
高齢技能労働者の優れた技能を活用し、若い労働者に伝えていくことも不可欠。
3 労働者の高い就業意欲への対応
建設技能労働者の高齢期における就業意欲は高く、その就業ニーズは多様であ
ることから、これまで建設業に貢献してきた労働者の就業ニーズに応え、できる
限りこれらのニーズに合った就業の場を提供していくことが必要。
建設現場においては、機械化、省力化の進展、材料の軽量化等が進んでいるもの
の、依然として、体力が必要な作業が多い、高所作業や危険な作業があるなど、高
齢技能労働者が就労するに当たって困難な面もあるため、今後も、事業主等による
様々な取組を一層推進していくことにより、高齢技能労働者に活躍の場を提供し、
より長く就労できるようにしていくことが必要。
2 高齢技能労働者の活用のための具体的方策
1 全般的事項
イ 高齢技能労働者の活用の必要性についての啓発等
@ 建設事業主等に対する高齢技能労働者の活用の必要性についての啓発等
A 高齢技能労働者の活用の好事例等の収集、情報やノウハウの積極的な提供
B 高齢技能労働者の活用の必要性やメリットについての現場や元請企業の理
解の促進
C 総合工事業者と職別工事業者が一体となった各種取組の推進
ロ 望ましい高齢期の働き方の検討
高齢技能労働者が希望すれば、一定の年齢まで、その能力・体力等に応じて
仕事を続けることができるような一定の働き方のルールの検討等
ハ 高齢技能労働者の活用に対する行政のサポートの充実
2 労働条件・勤務形態等
イ 労働時間の短縮
週休2日制の導入促進、年次有給休暇の取得促進などによる労働時間の短縮
ロ 短時間勤務・短日数勤務制度等の検討
労働者のニーズや制度導入の可能性を踏まえた短時間勤務制度、短日数勤務
制度等の導入の検討
ハ 賃金制度の検討等
@ 個々の労働者の能力、成果等に応じた賃金制度の導入等賃金制度の見直し
に当たって、高齢技能労働者の体力・健康にも個人差があり、その就業ニー
ズも多様であることから、画一的ではなく、柔軟な対応が可能で、労働者が
その能力を十分発揮できるような賃金制度とする方向での検討
A 建設業退職金共済制度等の周知、啓発、制度への一層の加入促進
3 安全衛生・福利厚生
@ 安全衛生対策の徹底は、建設現場における高齢技能労働者の活用を進めてい
くための大前提であり、特に総合工事業者と職別工事業者との一体となった取
組が期待
A 職場環境の改善、成人病検診や人間ドックの受診等による健康管理の充実
4 配置・作業方法
○ 高齢技能労働者が働きやすい作業方法の開発、高齢技能労働者に適した機械、
工具等の導入、活用による高齢技能労働者の配置・職域の拡大
5 能力開発
@ 職業生涯を通じた段階的かつ体系的な能力開発
A 高齢技能労働者がその技能を若年労働者に伝えることができる能力開発
B 建設産業の技術の向上・変化に合わせ、新しい機械・技術に対応できる技能
を習得するための継続的な能力開発
建設業の雇用をめぐる環境は厳しいものとなっているが、建設業における高
齢技能労働者の活用は、中長期的に重要な課題であり、今から取り組んでいく
ことが必要。
当研究会は、今後、個々の企業だけではなく、行政、業界団体、元請企業な
どを含めた関係者が建設業における高齢技能労働者の活用の必要性を十分理解
し、各種の取組を推進することにより、建設業の現場において、高齢技能労働
者の働きやすい環境の整備が進むことを期待。
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