トップページ


2 少子化社会への対応:4つのアピールと10のアクション





 (アピール3)「家庭を持って子育て」という生き方にも「挑戦」できるよう、

        若い世代の成長・自立を支援する



   家庭を持って子育てをすることは、パートナーや子ども達に責任を持つという

  ことでもあります。こうした選択をするためには、人生に前向きな自分の選択の

  1つとして、家庭を持って子育てをするという生き方に「挑戦」できるように、

  精神的に成長し、経済的にも自立した人間であることが求められます。その結果、

  若者とその親との親子関係も、自立した者同士の人間関係になることが期待され

  ます。

   そのためには、豊かな人間性など「生きる力」を持った自立した人間になるよ

  う、心身ともに健やかに育てるとともに、子どもや家庭の大切さを知る機会をも

  てるようにすることも大切です。若い世代の親からの自立を促し、経済的・精神

  的に自立できるような基盤の整備も必要です。

   「子育ては親育て」という言葉がありますが、子育てを通して親自身が成長し、

  自立していくという側面を見逃すことはできません。若い世代が子育てを経験す

  る中で、「育てられる者」から「育てる者」へと成熟していくことになるのです。

  育てられる者から育てる者への転換は、やがて看取る者から看取られる者へと続

  いていきます。私たちの生涯の中で、大切な体験の転換です。





  

  アクション(7) 子どもの「生きる力」を育てる



    子どもが、心身ともに健やかに育ち、豊かな人間性、他人に対する思いやり、

   主体的に判断する能力などの「生きる力」をはぐくむことができるようにする

   ことが、子どものすこやかに育つ権利を保障する上でも重要なことです。その

   ためには、様々な自然体験やボランティアなどの体験活動の機会を子どもに提

   供することが必要です。また、子ども同士で切磋琢磨したり、地域での異年齢

   の集団とふれあう機会を与えることは、子どもたちが自ら考え、主体的に「生

   きる力」を学びとっていくという意味で、大切なことです。

    食生活の乱れや過度なダイエット指向などによって、危機的な状況に陥って

   きている、子どもの食の状況を改善するとともに、食の場を通じた家族形成や

   人間性の育成を考えていくことも大切でしょう。





  

  アクション(8) 若い世代が子どもや家庭を知り、子どもとともに育つ機会を

         つくる



    若い世代が子どもと接する機会が少なくなっています。子どもの頃から赤ち

   ゃんや年下の子どもとふれあって育つ環境にあることで、人への関心や共感を

   高め、それは子育ての予備体験にもなります。地域や学校でこのような機会を

   設けることが必要です。

    教育の場において、子どもが将来の親として必要な基本的なことを習得でき

   るよう、子育ての意義や家庭の重要性についての理解を深めることも大切です。

   家庭生活は男女が協力して築き、子育てにおいて男女がともにその責任を果た

   すことの大切さも教えていく必要があるでしょう。

    また、家族とのふれあいを通じて親が子どもを育てる家庭教育は重要ですが、

   子どもとの接し方がわからない親や、しつけや子育てに自信のない若い親が増

   えています。子育て家庭の相談に乗ったり、親になるための情報を学習できる

   ような機会を提供するため、地域や学校・行政が取り組むことが求められてい

   ます。とくに、これまであまり子育てを担ってこなかった、あるいはできなか

   った父親が子育てに主体的に参加できるようにすることが必要です。





  

  アクション(9) 若い世代の親離れを進め、自立して家庭を持つための基盤を

         整備する



    高校卒業後も親と同居し、親が教育費と生活費を負担する若者が少なくあり

   ません。欧米などでは高校卒業後は親から自立して生活する傾向が強いとされ

   ています。最近では、学校卒業後も、自立しないで豊かな独身生活を楽しむた

   めや、自立できるほどの経済基盤を持てる仕事がないために、親と同居し、親

   の経済に依存する生活形態や、定職を持たず不安定就労を続ける「フリータ

   ー」といわれる生活形態も指摘されています。このような親への依存からの脱

   却という意味での「親離れ」を進め、若者が自立し、家庭を持てるよう支援す

   る必要があるのではないでしょうか。

    そのためには、奨学金の充実や、若者の能力開発や適職選択による安定就労

   の推進など、経済的基盤の整備が大切だと考えます。このことは、親の子育て

   負担の軽減にもなります。

    また、家庭を持つための伴侶をもてるように、市町村を中心に広がりつつあ

   る「出会いの場づくり」を支援することも考えて良いかもしれません。

                        TOP

                      トップページ