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2 少子化社会への対応:4つのアピールと10のアクション





 (アピール1)男性を含めた働き方を見直し、「仕事時間と生活時間のバランス」

        のとれる働き方を実現する



   人々の意識や価値観が多様になり、仕事も生活も大事にしたいという考え方を

  持つ人が、若い世代だけでなく壮年層でも、また男性の間にも増えてきています。

  一方、これまでの働き方は、家庭や自分の生活よりも仕事を優先することを求め

  られることが多かったことが、少子化の背景にあると考えられます。

   このような仕事と生活に関する考え方の変化に応じて、仕事と家庭生活の両立

  を女性や育児期だけの問題と考えるのではなく、男性や独身者を含めた全ての人

  の働き方を見直し、個々人の価値観に応じて働き方を選べるようにし、仕事時間

  と生活時間のバランスがとれる多様な働き方を実現できるようにすることが求め

  られています。とりわけ、子育て期には、子育てと仕事が両立できるようにする

  ことが必要です。こうした働き方ができるようになることで、独身者は自分の時

  間を活用して人間関係を広げ、将来のパートナーと出会う条件を整えることがで

  き、子どものいる男女は家庭生活との両立という選択ができるようになるでしょ

  う。そのことはまた、結婚後や出産後も仕事を継続することを希望する女性にと

  って、結婚や出産を選択することを躊躇させることを少なくすることになるでし

  ょう。

   また、子育てと仕事の両立のみならず、仕事と仕事以外の生活の場全体を通じ

  て、個々人がその個性と能力を十分に発揮できるようになり、個人の働きがいと

  社会全体の生産性向上を実現することが期待されます。





  

  アクション(1) 多様な働き方が可能な社会の仕組みに変える



    個々人の家庭の事情やライフコースの段階に応じて、男女ともに働く時間や

   場所、さらには就業形態を柔軟に選ぶことができるようにすることが必要です。

   雇用分野においては、例えば、学校を卒業した時点では、時間や勤務場所の拘

   束の強いフルタイム勤務の社員を選択した人が、育児期間中は同じ会社で、短

   時間勤務で働き、その後、育児が一段落した後、再びフルタイム勤務の社員に

   戻るような例、子育てなどで退職後、短時間勤務の社員として再び働き始めて

   も、働き方に見合った均衡な処遇を受け、再び活躍できるような例などが考え

   られます。

    そのためには、パートタイムや派遣、在宅就労など、多様な働き方のメニュ

   ーが用意され、その働き方の間で柔軟に選択や転換ができるようにすることや、

   その働き方に見合った均衡処遇を図るための方策を検討し、これを進めていく

   ことが求められます。また、そのような円滑な職業の選択や移動をしやすくす

   るため、職業紹介など労働力需給の調整の機能を強化することなどが求められ

   ます。





  

  アクション(2) ファミリー・フレンドリー企業に優秀な人材が集まる



    とくに子育て期には、子育てと仕事が両立できるような働き方ができるよう、

   育児休業、短時間勤務、子ども看護休暇などの制度の普及を図るとともに、法

   制度においてもさらに整備を進めていくことが必要です。とりわけ、男女が共

   同で家庭に参画することが進められるよう、男性の育児休業取得の促進や配偶

   者の出産後の父親の休暇取得の推進など、男性が育児に参画できる環境の整備

   に力を入れていく必要があります。そのためには、男女の固定的な役割分担意

   識を払拭していくことも不可欠です。また、子育てが一段落した後の再就職を

   進めることが必要です。

    この場合、企業トップの理解と政策的支援が求められます。現在、育休業制

   度が規定され、実際に利用されている、事業所内託児施設が整備されているな

   ど、一定の条件を満たした企業を、「ファミリー・フレンドリー企業」、いわ

   ば家庭にやさしい企業として表彰などで支援する制度が既に実施されています

   が、その一層の推進が求められます。さらには、仕事も生活も大事にしたいと

   いう人が増えていることから、優秀な人材を集め、また従業員が自分の個性と

   能力を発揮して生産性を高めるためには、企業自身もファミリー・フレンドリ

   ーであることが求められると思います。

    そのために企業自身が積極的な対策を講じていくこととともに、指標の作成

   などによる一層の普及促進策も必要です。

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