4 今後検討すべき論点 (1)今後の検討に向けて (1)中長期的課題と当面の課題 ・本研究会でとりあげたテーマのうち、負担能力の把握や各種控除の問題につ いては、期限を切って取り組めるものからすぐにでも取り組んでいくべきで ある。一方、社会保険と税の役割分担を含む社会保険制度の構造の問題につ いては、現行制度の設計の大幅な見直しにもつながり、社会的経済的影響も 大きいため、10年程度を見てじっくりと構造的な改革を検討していくべき である。 (2)制度設計と試算 ・これまでの社会保障改革は、医療・年金・介護といった個別の分野での縦割 りの検討が多かったが、制度横断的な検討が不可欠である。今後年金など各 制度における制度設計の議論が期待されるが、社会保障制度全体の検討と並 行し、相互に参照しつつ検討が行われるべきである。 ・この場合、財政的影響等に関する試算は不可欠なので、国立社会保障・人口 問題研究所において、給付設計も交えた制度改正モデルに基づく財政試算や 経済に対する影響のシュミレーションを行い、制度設計の参考に供すること が期待される。