3.主な調査結果 (1)経営状況 1995年調査と比較しても、「悪化気味」は6.2ポイント(30.7%→36.9 %)、「かなり悪化している」は12.1ポイント(24.9%→37.0%)増加しており、 現在は厳しい経営環境となっていることがわかる。(問2) 3年前と比べた売上高・出荷額の伸び(前年調査との比較)(2)取引状況 特定企業(親企業)の協力会への加盟状況を見てみると、「入っている」が 32.8%で最も多いが、1995年調査と比較してみると17.5ポイントも激減しており、 親企業からの脱皮やケイレツ崩壊が進んでいるとみることができる。(問5) 協力会への加入の有無(前回調査との比較)
競争相手の企業の立地地域について、現在の競争相手としては「近接の都道 府県及び一円」「立地都道府県内」「その他の国内」「地元」がどれも3割前 後で高くなっているが、近い将来の競争について見てみるとこれらの割合が低 下し中国を始めとしたアジアをあげる割合が高くなっている。特に「中国」は 44.7%と極めて高く、半数弱の企業が近い将来の競争相手として意識している。 (問8:複数回答) 現在・近い将来の競争相手企業の立地地域 (単位:%)
(3)労務管理・人材確保 それぞれの種類の従業員が「必要である」場合についてその過不足状況を尋ね た結果、最も不足傾向が強いのは「技術者」であり「不足している」と「やや不 足している」を合わせた割合は62.6%に達する。(問16) 従業員の過不足状況(全体)
自社の技能者について、4つの類型別にその構成比みてみると、平均で「多能 工」が38.2%で最も多く、次いで「高度熟練技能者」の25.1%、「マネージャー 型技能者」の19.2%、「テクノワーカー」の17.6%、の順となった。(問17) 技能者数に占める各類型の人数(全体) (単位:%)
(4)人材育成・能力開発 基幹的従業員に求められる知識・技能としては、「生産工程を合理化する知 識」が最も多く(61.6%)、次いで「複数の基本的な技能」(52.4%)、「品質 管理や検査・試験の知識・技能」(49.1%)の順である。(問19:複数回答) 基幹的従業員に求められる知識・技能(前回調査との比較) (単位:%)
高いレベルの技能を持つ技能者の評価・処遇については、「給与等の金銭面で 優遇」が圧倒的に多く、約7割(69.4%)の企業で行われていることとなる。次 いで「雇用延長や再雇用の対象者を選抜する際に、優先」の31.3%である。 (問24:複数回答) 高レベル技能の技能者への評価・処遇方法(業種別) (単位:%)
(5)地域での取り組み 地域におけるネットワーク活動について、現在「参加していない」企業が34.0 %にものぼる。残りの「参加している」企業の中で参加しているネットワーク活 動についてみてみると、最も多いのが「技術的な情報交換をしている」(33.5 %)、「共同で人材育成を行っている」はわずか3.3%に過ぎない。関心がある ものとしては、「技術的な情報交換」が最も多く(29.0%)、次いで「新製品開 発」(24.7%)、「大学・研究機関との産学連携」(23.0%)、「新規事業」 (21.7%)、の順である。現在の活動に比べて、より実際的な「新製品開発」 「新規事業」などに関心が高いことが注目される。(問29:複数回答) 地域におけるネットワーク活動への参加状況(全体) (単位:%)
集積地域としてのメリットを生かして生産現場の基幹的従業員の能力向上を地 域全体で図っていく方策としては、「熟練技能者の人材バンクやOB組織を作り、 必要な時にアドバイスを受けられたり、若い技能者を教えてもらったりできるよ うにする」が最も高い。(問31:複数回答) 集積地域のメリットを生かして能力向上を地域全体で図っていく為の効果的方法 (全体) (単位:%)
地域で生産現場の基幹的従業員の育成を進める上での問題点としては、「地域 内の企業間での交流が少ない」が最も多く(40.5%)、次いで「同種技能を持つ 企業が地域に少ない」(27.1%)、「地域の企業数自体が減少傾向にある」 (26.5%)、の順となっている。(問32:複数回答) 地域で基幹的従業員育成を進める上での問題点(業種別) (単位:%)