表1 試験に係る能力基準項目
能力基準項目 (キャリア・コンサ ルティング実施に必 要な能力要件) |
内容例 (習得目標) |
試 験 方 法 |
I キャリア・コンサルティングの社会的な意義に対する理解 | ||
1 社会・経済的な 動向とキャリア形成 支援の必要性の認識 |
技術革新の急速な進展など様々な社会・経済環境の変化に伴い 、個人が主体的に自らの希望や適性・能力に応じて、生涯を通じ たキャリア形成を行うことの重要性が増してきたこと、そのため の支援が必要であることについて理解しているか。 |
学 科 試 験 |
2 キャリア・コン サルティングの役割 と位置付け |
学 科 試 験 |
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(1) キャリア・コ ンサルティングの役 割 |
キャリア・コンサルティングは、個人の生き甲斐、働き甲斐を 含めたキャリア形成を支援すること、また、個人が自らキャリア マネジメント(自立/自律)できるように支援すること、さらに は、個人と企業との共生の関係をつくる上で重要なものであるこ となど、その役割、意義について理解しているか。 |
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(2) キャリア形成 支援におけるキャリ ア・コンサルティン グの位置付け |
キャリア・コンサルティングは、個人のキャリア形成において 重要な位置を占め、行政その他関係機関による能力開発支援など 様々なサービスと相まって行われる必要があることについて理解 しているか。 |
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3 キャリア・コン サルティングの任務 の範囲 |
学 科 試 験 |
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(1) 任務の範囲 | 相談者のキャリア形成を支援するために、キャリア・コンサル タントとしての活動に範囲(限界)があることを理解しているか 。 |
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(2) プライバシー の守秘 |
相談者のプライバシー、相談内容等に関しての守秘義務につい て理解しているか。 |
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(3) 倫理規程の厳 守 |
キャリア・コンサルタントが守るべき倫理規程(基本理念、任 務の範囲、守秘義務を含む)について理解しているか。 |
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II キャリア・コンサルティングの基本的知識・スキル | ||
1 基本的知識 | 学 科 試 験 |
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(1) キャリア・コ ンサルティングに関 連する各理論 |
キャリア開発に関する代表的理論や職業指導理論、職業選択理 論等について理解しているか。 |
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(2) 個人に関する 理論とその手法 |
自己理解に関する代表的理論、自己理解への支援の一手段とし ての心理テスト等評価検査やその他様々な手法の種類、目的、具 体的な実施方法等について理解しているか。 |
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(3) 仕事に関する 理論と情報の種類、 情報の入手方法 |
職業分野に関する代表的理論を理解しているか。職業情報には 、仕事内容、労働条件、必要な知識・スキル・資格、訓練機関等 様々な情報があることを理解しているか。情報媒体には、書籍、 雑誌、事典等の印刷物、VTR等の視聴覚教材、CD-ROM等のコンピ ュータ支援システム、インターネット等様々なものがあること、 どのような情報提供機関があるか、また情報の入手方法について 理解しているか。 |
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(4) 職業能力開発 に関する情報とその 収集法 |
職業能力開発に関する知識や訓練・教育機関など各種情報、ま た情報の入手方法について理解しているか。 |
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(5) 雇用管理の仕 組みと労働条件 |
企業における雇用管理の仕組みや、主な業種における労働条件 (勤務形態、賃金制度等)について、一般的な知識があるか。 |
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(6) 労働市場の変 化 |
技術革新の急速な進展など様々な社会情勢、経済環境の変化、 労働者を取り巻く雇用環境の変化等について理解しているか。ま た、その影響についても把握しているか。 |
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(7) 労働関係法 規、社会保障制度等 |
職業安定法等の労働関係法規や社会保障制度等について、一般 的な知識があるか。 |
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(8) メンタルヘル ス |
メンタルヘルスに関連する法令や指針について理解しているか 。ストレス理論等について基礎的な知識があるか。 |
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(9) ライフステー ジと発達課題 |
各ライフステージにおける解決すべき課題や、青年期、中年期 等の発達課題について理解しているか。 |
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(10) 転機の受け止 め方と対応 |
初めて職業を選択する時や、転職・退職時といった転機が訪れ たときの受け止め方や対応の仕方について理解しているか。 |
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2 基本的スキル | ||
(1) 基本的スキル の必要性 |
相談者の自己理解を促進するためには、カウンセリング・スキ ルなどの基本的スキルを活用することが極めて有効であることを 認識しているか。 |
学 科 試 験 |
(2) キャリアシー トの作成指導 |
キャリアシートの意義を理解しているか。キャリアシート(*) の作成に関する知識を持ち、キャリアシートの作成指導を適切に 行えるか。 *自らを振り返り、今後のキャリア形成の方向性やその実現 を図るための手段・方法を整理するための書面や職務経歴 書など |
実 技 試 験 |
(3) カウンセリン グ・スキル |
カウンセリング諸理論を理解し、傾聴をはじめとする様々なカ ウンセリング・スキルを用いて、相談を進めることができるか。 |
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(4) グループカウ ンセリング・スキル |
グループカウンセリングに関する諸理論を理解し、グループカ ウンセリングといったグループアプローチを行うことができるか 。 |
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(5) 相談過程全体 のマネジメント・ス キル |
相談者(クライアント)が相談過程のどの段階にいるかを常に 把握するとともに、各段階に応じて様々な手法を活用すること等 により、適切な相談を進めることができるか。 |
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III キャリア・コンサルティングの実施過程において必要なスキル | ||
1 相談場面の設定 | 実 技 試 験 |
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(1) 物理的環境の 整備 |
キャリア・コンサルティングを行うにふさわしい物理的な環境 、相談者が安心して積極的に相談できるような環境作りができる か。 |
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(2) 心理的な親和 関係(ラポール)の 形成 |
キャリア・コンサルティングを行うに当たって、心理的な親和 関係(ラポール、信頼関係)を相談者との間に確立することがで きるか。 |
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(3) 主体的なキャ リア形成及びキャリ ア・コンサルティン グの目的に係る相談 者の理解の促進 |
主体的なキャリア形成の必要性やキャリア・コンサルティング の目的などを明確にすることの重要性について、相談者の理解を 促すことができるか。 |
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(4) 相談の目標・ 範囲の明確化 |
相談者の相談内容、抱える問題、置かれた状況を把握・整理し 、当該相談の到達目標及び相談を行う範囲、相談の緊要度などに ついて、相談者に対して具体的に明示することができるか。 |
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2 「自己理解」支 援 |
実 技 試 験 |
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(1) 自己理解への 支援 |
職業興味や価値観等の明確化、職業経験の棚卸し、職業能力の 確認、相談者を取り巻く環境などを分析し、相談者の自己理解を 支援することができるか。 |
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(2) アセスメント ・スキル |
相談者に応じて、適切な評価検査を選択して実施し、その結果 の解釈を適正に行い、相談者に示すことができるか。 |
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3 「仕事理解」支 援 |
実 技 試 験 |
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(1) 職業や労働市 場に関する情報ソー スの活用 |
CD-ROMやインターネット等最新テクノロジーを含めた情報媒体 や情報提供機関を利用し、職業や労働市場に関する情報を収集及 び提供することにより、相談者の仕事理解を支援することができ るか。 |
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(2) 最新テクノロ ジーの活用 |
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4 「啓発的経験」 支援 |
事前に職業を体験してみることの意義や目的について相談者に 理解させ、その具体的な方法や実行について助言することができ るか。 |
実 技 試 験 |
5 「意思決定」支 援 |
実 技 試 験 |
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(1) キャリア・プ ランの作成支援 |
仕事だけでなく、仕事以外の活動(例えばボランティア活動な ど)も含め、どのような人生を送るのかという観点、家族を含め た基本的生活設計の観点などのライフプランを具体化し、相談者 のキャリア・プランの作成を支援することができるか。 |
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(2) 具体的な目標 設定への支援 |
「自己理解」「仕事理解」等を踏まえ、中長期的な目標や展望 を設定し、その上で短期的な(1〜3年)目標の具体的な設定を支援 することができるか。 |
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(3) 能力開発に関 する支援 |
相談者の設定した目標に応じて、必要な自己学習や職業訓練な どの能力開発に関する情報を提供したり、能力開発プランを策定 したりすることができるか。 |
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6 「方策の実行」 支援 |
実 技 試 験 |
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(1) 相談者に対す る動機付け |
相談者が実行する方策(進路・職業の選択、就職、転職、職業 訓練の受講等)について、その目標、意義について理解を促し、 相談者がその目標に自らの意思で取り組んでいけるように働きか けることができるか。 |
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(2) 方策の実行マ ネジメント |
相談者が実行する方策の進捗状況を把握し、相談者に対してそ の状況を理解させるとともに、必要に応じて助言することができ るか。 |
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7 「新たな仕事へ の適応」支援 |
方策の実行後におけるフォローアップの重要性について理解し 、相談者の状況に応じた適切なフォローアップを行うことができ るか。 |
実 技 試 験 |
8 相談過程の総括 | 実 技 試 験 |
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(1) 適正な時期に おける相談の終了 |
キャリア・コンサルティングの成果や目標達成具合を勘案し、 適正だと判断できる時点において、相談を終了することができる か。 |
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(2) 相談過程の評 価 |
相談者自身が目標の達成度や能力の発揮度について、的確に自 己評価できるように支援することができるか。また、キャリア・ コンサルタント自身が相談支援の過程について、自己評価するこ とができるか。 |
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IV キャリア・コンサルティングの効果的実施に係る能力 | ||
1 キャリア形成の 重要性の社会への普 及 |
キャリア・コンサルティングを求める可能性のある人や企業な どに対して、様々な活動を通じてキャリア形成の重要性等につい て普及していく必要性を理解しているか。 |
学 科 試 験 |
2 ネットワークの 認識 |
学 科 試 験 |
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(1) ネットワーク の重要性 |
効果的に相談を実施するためには、相談者を支援する他の専門 機関との様々なネットワークが重要であることについて理解して いるか。 |
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(2) ネットワーク の形成 |
地域における関係機関や様々な人々と日頃から情報交換を行い 、協力関係を築いていくことの重要性を理解しているか。 |
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(3) 専門機関への 紹介(リファー) |
相談者のニーズに応えるなかで、コンサルタントの任務の範囲 を超えるものについては、必要かつ適切なサービスを提供する専 門機関を選択し、紹介あっせんすることの重要性を理解している か。 |
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(4) 異なる分野の 専門家への照会( コンサルテーショ ン) |
効果的に相談を実施するために、追加情報を入手したり、異な る分野の専門家に意見を求めたりすることが重要であることを理 解しているか。 |
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3 自己研鑽・スー パービジョン |
学 科 試 験 |
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(1) 自己研鑽 | コンサルタント自身の自己理解の重要性について理解するとと もに、他のコンサルタントの事例を学んだり研修会に参加したり するなど、常に学ぶ姿勢を維持し、新たな情報を吸収し、自らの 力量を向上させていくことの必要性についての理解しているか。 |
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(2) スーパービジ ョンの必要性 |
スーパーバイザーの立場にある人や自分より上級の専門家等 から、定期的に指導を受けることの必要性について理解している か。 |