1 キャリア形成の意義





  ○「キャリア」とは、一般に「経歴」、「経験」、「発展」さらには、「関連し

   た職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないし継続性を持った概念として

   捉えられる。



  ○「キャリア形成」とは、このような「キャリア」の概念を前提として、個人が

   職業能力を作り上げていくこと、すなわち、「関連した職務経験の連鎖を通し

   て職業能力を形成していくこと」と捉えることが適当と考えられる。



  ○これまで、長期安定雇用が保障される中、職業生活のあり方は基本的に企業ま

   かせ。学校教育も大企業への採用を目標に、成績・学校によって切り分け。社

   会的に一律かつ集団的な教育・就職システムや企業内システムが当然視。



  ○しかしながら、現在我が国労働者は、企業間競争が激化し、大企業といえども

   倒産のリスクを避けられず、誰しも突然失業する可能性や、技術革新の急激な

   進展やニーズの変化により、労働者が長年にわたって蓄積してきた職業能力が

   無になる可能性が生じる等の変化に直面。



  ○こうした最近の環境変化は、これまでのシステムを根底から揺るがしつつあり、

   現在は、過度に集団的なシステムからより個人に配慮したシステムの構築への

   転換期。

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