6 法的問題点 (2)キャリア形成促進に係る法的問題点 (日本型雇用慣行と労働法理) これまでの雇用政策は、長期雇用等の日本型雇用慣行を前提に、大企業を中 心とする内部労働市場を整備し、維持し、発展させることにより、雇用の創出 と安定を図ることを目指してきた。具体的には、雇用維持のための各種助成金 や企業内訓練の振興を旨とする能力開発促進などである。他方、労働法理も概 ね、こうした施策や日本型雇用慣行と整合的に存在し、機能してきたと言える。 例えば、雇用保障のための解雇権濫用禁止の法理や配転や労働条件変更を巡る 就業規則を通した集団的労使関係処理の法理等である。