5 労働市場の構築





 (1)労働市場の枠組みの官民による形成



   我が国においては、これまで大企業を中心とする長期雇用システムのもとで内

  部労働市場が発展してきた反面、外部労働市場は未整備の状態であり、特に、労

  働市場が機能する前提として、能力評価制度、能力開発の受皿としての教育訓練

  制度、キャリア・コンサルティングシステム、職業等に係る情報システム等のイ

  ンフラを整備していくことが、最大の中長期的課題となっている。

   特に、変化の激しい時代において、企業内外を問わず、個人の主体的なキャリ

  ア形成が適切になされ、それが社会全体の人材能力の向上と経済の活性化につな

  がるためには、こうしたインフラが利用し易い形で整備されることにより、個人

  に適切な情報とキャリア・コンサルティングの機会が提供されるとともに、労働

  者の能力が市場で判断され、キャリアが労働市場において持ち運びできるように

  することが必要である。

   この意味で、個人のキャリア支援のためには、「能力の見える社会」へ向けて、

   労働市場における基盤となるインフラ構築を進めていかなければならない。

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