5 労働市場の構築 (1)労働市場の枠組みの官民による形成 ロ 職業能力評価制度 (知識・技能の評価) このうち、Aの職務遂行に必要な知識・技能については、次のような考え 方で評価の仕組みを整備していくことが必要である。 まず、評価制度の基礎として、知識・技能の内容を統一した共通用語で叙 述することが土台となろう。 次に、こうした共通言語で叙述された知識・技能をレベルに応じて格付け し、評価基準を作り、評価を行っていくことが求められる。 但し、技術革新が急速に進む中で包括的な能力評価制度を作り上げていく ことについては、現実に可能かという問題もあり、その構築については、次 のように、まず、必要性の高いものや利用し易い簡易なシステムから順次、 整えていくことが現実的であろう。 例えば、 (1)評価基準に基づき、自己診断の仕組みや、キャリア・コンサルタン トがアドバイスをしながら能力を棚おろしできる簡易な仕組み等をつ くっていくことが、能力評価の普及のためには有効である。 (2)また、技術革新やニーズ変化の激しいいくつかの技能・技術を取り 出して、トピック的に能力要件を提示すること等も検討に値する。 (3)さらに、評価制度そのものについては、ニーズの高い分野や成長分 野等を中心に実施していくことが必要である。