5 労働市場の構築 (1)労働市場の枠組みの官民による形成 ハ 職業情報システム及びキャリア・コンサルティングシステム (キャリア・コンサルティング) 次に、個人のキャリア支援を行っていくためには、こうした情報の提供と 併せ、専門的なキャリア・コンサルティングが必要である。 この点についても、アメリカにおいては、カウンセリングの専門家が全国 で約20万人おり、学校、職業紹介などを行うワンストップセンター、コミュ ニティーカレッジ等に配置されているほか、独立自営形態のカウンセラーも 活躍している。 我が国では、アメリカのようなカウンセリングのノウハウや伝統がないこ とや、受入れ側の国民も、ただちに高いレベル(大学院資格)のカウンセリ ングを求める需要がないことから、まず、職業やキャリアに関する基本的、 実践的な相談ができる人材をある程度の数養成し、企業内、需給調整機関、 能力開発機関等に配置することが目標として適当である。 このため、平成14年4月に官民合同の「キャリア・コンサルティング研 究会」において、こうした人材の基本となる能力要件の基準を策定したとこ ろである。名称については、心理学的な面が強調されることを避けるため、 キャリア・コンサルタントと呼ぶこととしており、策定した基準に基づき、 今後、官民合わせて、5年間で5万人程度養成することをめざしている。