4 キャリア形成に係る政策展開 (4)企業に対する支援 (支援策の内容) 次に、政策的な支援としては、情報面での支援や、金銭的支援が重要である。 まず、情報・技術面での支援としては、キャリア・コンサルティング技法に 係る指導・助言のほか、経済社会の変化に対応した労働者のキャリア形成のあ り方について、実態を踏まえ、問題点の整理に基づき情報やモデルを呈示する ことも、労働者や個人のキャリア形成を適切に促進する上で、参考となろう。 特に、労働者の主体的なキャリア形成を適切に促進するためには、それを可 能とする環境づくりやシステムづくりが不可欠である。労働者の主体性の尊重 が建前だけで、結果として、労働者の職業能力開発やキャリアについての無関 心、放置に陥らないよう、指針等で適切に誘導することも大切である。 また、金銭的支援としては、現在、労働者が自ら教育訓練や能力評価を受け た場合に援助を行う事業主や有給教育訓練休暇を与える事業主に対する助成金 としてキャリア形成促進助成金が設けられている。 このほか、雇用・能力開発機構都道府県センターのキャリア形成支援コーナ ーにおいて、こうした助成金の支給と併せ、キャリア形成支援に関する情報提 供、相談を行っている。 ○「キャリア形成支援コーナー」「キャリア形成促進助成金」 キャリア形成支援コーナーは、自発的な職業能力の開発及び向上を図ろうと する労働者に対するキャリア形成支援の拠点として、全国47カ所の雇用・能力 開発機構都道府県センターに設置されている。 在職者・求職者に対して、キャリア・コンサルティングを行うとともに、自 己啓発又は能力開発のためのプランの提示を行っており、企業等に対しても、 キャリア・コンサルティングの技法等に係る指導・援助を行っている。 キャリア形成促進助成金は、能力開発に関する事業主助成制度を、個人の主 体的なキャリア形成の支援を重視する方向で見直し、平成13年10月に創設され たものである。 具体的には、企業内での労働者のキャリア形成の効果的な促進のため、職業 能力開発推進者を選任し、かつ、事業内職業能力開発計画に基づき、次のよう な取組みをした事業主に助成を行っている。 (1)目標が明確化された職業訓練の実施(訓練給付金) (2)職業能力開発の付与(職業能力開発給付給付金) (3)長期教育訓練休暇制度の導入(長期教育訓練休暇制度導入奨励金) (4)職業能力評価の実施(職業能力評価推進給付金) (5)キャリア・コンサルティングの機会の確保(キャリア・コンサルティ ング推進給付金)