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4 キャリア形成に係る政策展開





 (4)企業に対する支援



   技術革新や商品サイクルの短縮化、顧客ニーズの変化等に対応するための経営

  のスピード化等が要求される中で、新たな人事管理手法として、成果主義・実力

  主義、目標管理制度、さらには、社内公募制が導入され、キャリアルートの複線

  化等とも相俟って、キャリア形成における個人の主体性尊重の動きは強まりつつ

  ある。

   他方、日本型経営の特質と言われた「終身雇用」と「年功序列賃金」のうち、

  後者は崩壊しつつあるものの、前者は、なお、正規従業員の長期雇用という形で

  健在である。



   また、個人の主体性を重視したキャリア形成の動きが徐々に強まりつつあると

  は言え、統計的に見ると、全体としては、未だ過渡期にあるに過ぎず、業種・業

  態によって取組みも異なっている。



   こうして見ると、従来の経営管理のやり方では通用しなくなっており、各企業

  は、新たな経営の仕組み・人事管理を模索している段階にあると言えよう。

   これまでの日本型経営には、組織まかせによる個性の喪失、滅私奉公的働き方

  などの問題がある一方、チームワークの良さ、長期的観点に立った能力評価と人

  材育成、長期雇用の保障によるゆとりと企業風土・文化の熟成等、多くの利点を

  備えている。



   こうした日本型経営を捨て去るのではなく、その利点を生かしつつ、成果主義、

  社内公募制をはじめ個人の主体性を尊重した新たな経営人事管理モデルをつくっ

  ていくことが望まれる。

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