ハ 中高年層のキャリア
(高齢期の活力ある働き方)
我が国の高齢者の働く意欲は、国際的に見ても高く、65歳以上の労働力率は、
欧米諸国(1割程度)をはるかに超える水準(23.4%)となっている。
特に、自営業者、中小企業労働者においては、生活上の必要性もあり、高齢者
の労働力率が高い。
人の職業能力は、高齢化によって、一律に衰えるものではなく、むしろ、専門
的能力の蓄積、判断力、管理能力は上昇するとも言われている。こうした判断力、
洞察力に加え、長年の職業経歴を通じて培った人的ネットワークを活かすことに
よって、多くの高齢者が現役で活躍し、社会貢献を果たしている。
中には、画家、彫刻家等の芸術家や実業家に見られるように、80を過ぎても現
役で活躍している者も稀ではない。
こうした現役で活躍する高齢者に共通しているのは、総じて、諸々の環境・条
件を克服ないし折り合いをつけつつも、自分価値にこだわり、自己実現の働き方
をしているという点である。
ある意味では、自己実現と働くことが一体化することにより、本来持っている
真価を発揮していると言えよう。
このように、キャリアを積み重ねた高齢期において、個人が益々真価を発揮し、
社会貢献を行えるようにしていくことは、個人の主体的なキャリア形成を促進す
る重要な目標である。
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