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≪調査結果≫
IV.今後の子育て支援策のあり方
父親も、家事や育児を仕事と同等かそれ以上に優先させたいと考えているが、
「子育てに十分時間をかけられない」「休みが取りにくい、残業が多い」など、
職場の無理解や制度・慣例にしばられ、子育てや家族との時間、地域との関わり
を持てない実態があることから、仕事時間と生活時間のバランスがとれる多様な
働き方を選択できるような「働き方の見直し」が必要である。
また、子育ての不安や悩みは、母親ほどではないが、子育てに関わりたくとも
「子育ての接し方に自信が持てない」という父親も少なくないことから、子育て
に関する男性を対象とした情報提供や研修機会も必要である。
核家族の家庭では、「子どもとの接し方に自信がない」「仕事や自分の時間を
十分に取れない」ことを悩んでいる人が多く、地域や親族、配偶者の支援を得ら
れず、一人で子育てを行うことの精神的な負担を感じ、自分の時間や社会との接
点を求めている。
また、母親は、子どもと自分だけで家庭の中にいるのではなく、日常的に子ど
もと安心して過ごせる居場所を求め、気持ちを理解してくれる支援者に気軽に相
談することや、アドバイスを受けることを望んでおり、「子育て中の親が集まっ
て相談や情報交換のできる場」づくりや一時預かりサービス等の子育て支援事業
の充実が必要である。
子どもを持つことにネガティブなイメージを持つ中高生は、現在、学校や地域
での活動に参加しておらず、小さな子どもとも触れ合う機会を持たない人が多い
ことから、中高生等の青少年が、学校や家庭内の人間関係のみにしばられず、地
域や社会との接点を持ち、小さな子ども等他世代との交流や各種体験活動の機会
を持てるような支援が必要である。
また、中高生の将来の結婚に対する考え方は、「両親の仲の良さ」と密接に関
係していることから、親のあり方の重要性も、再認識される必要がある。
仕事に対して前向きなイメージを持っている中高生は、結婚や子どもを持つこ
とにも前向きなイメージを持つ傾向にあり、これらは相互に関係しているものと
考えられる。こうした仕事・結婚・育児観を基に、中高生をクラスターにより分
類すると、「全てに前向きな」グループが約半数を占め、続いて「全般にほどほ
ど」グループが約3割を占める。一方、「全てに後ろ向き」や「仕事にのみ積極
的だが、結婚や子育てには後ろ向き」というグループも、それぞれ7%前後存在
する。
「全般にほどほど」グループが、将来、より「前向き」になるのか、より「後
ろ向き」に傾くのかが、将来の少子化に大きな影響を与えると考えられる。また、
「全てに後ろ向き」などの中高生については、仕事・結婚・育児全般への積極性
を育んでいくことが重要である。このような視点も踏まえ、家庭や子育ての意義
についての理解を深めるための教育・啓発や職業体験機会の提供などの取組を積
極的・効果的に進めることが必要である。
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