2.男女間賃金格差の現状、推移と格差生成の要因 (1)男女間賃金格差の現状と推移 イ 我が国の男性の平均賃金水準を100としたときに、女性の平均賃金水準は、 2001年の数字で65.3であり、男女間賃金格差は国際的にみても大きい。 ロ 我が国の男女間賃金格差を長期的にみると、男女雇用機会均等法を施行し た1986年には59.7であり、縮小傾向にある。 (2)男女間賃金格差の要因分析 イ 男女間賃金格差は、職階(部長、課長、係長などの役職)の違いによる影 響が大きく、勤続年数の違いによる影響がこれに次いでいる。 ロ 年齢の上昇とともに男性の賃金は大きく上昇するが、女性はあまり上昇し ていないことも要因となっている。 ハ 労使に対するアンケート調査では管理職の女性が少ないことや業務の難易 度に差があること、勤続年数が短いこと、諸手当の支給の少なさが格差の 要因として指摘され、また、企業ヒアリングでは、業務の与え方に男女差 が見られることが、勤続年数を経た後の男女の処遇差となって現れている との指摘がみられた。 ニ 賃金格差には統計的差別(労働者の属性ごとの平均値に基づく推測により 処遇することをいい、例えば、平均的に女性の勤続年数が男性より短いこ とから、企業が女性に対する教育訓練を手控えることなどがある)だけで なく、女性に対する差別意識も影響している。 ホ 家族手当や住宅手当は男性世帯主を中心に支給されている実態にあり、男 女間賃金格差の一つの要因となっている。 ヘ コース別雇用管理制度の導入企業の方が導入していない企業よりも男女間 賃金格差が大きい。