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<事例6>



 上司からセクシュアルハラスメントを受け、退職に追い込まれそうになった例

  −相談後職場環境が悪化、再度相談するも会社は関知せず−





 (相談内容)



   女性労働者Kは、上司Lと同僚男性に誘われ、飲みに行ったが、同僚男性が先

  に帰宅し、Lと2人きりになり、Lからホテルに誘われた。Kはショックを受け

  たが、とにかく断り帰宅した。

   その日以降、Lの行動のすべてが不快に感じ、耐えられなくなったため、部長

  に相談した。部長、K、Lの3人で話し合いの場を持ち、その場でLはKに謝罪

  したが、部長からLに対して何のコメントもなかった。

   話し合い後、Lの態度が一変し、Kに対してつらくあたり、事務的なこと以外

  Kに話しかけなくなったため、Kは職場でいたたまれない状況になった。退職に

  ついても考えるようになり、再度、部長に相談したが、謝罪は済んでいるとして

  とりあってもらえなかった。また、部長は、部全員にKが退職するということを

  話した。

   結局、Kは辞めざるを得ない状態になったが、LはKが辞めることでほっとし

  ている様子であり、何の処分も受けずに勤務していることに納得がいかず、Kは

  都道府県労働局雇用均等室に相談した。





 (都道府県労働局雇用均等室の対応)



   都道府県労働局雇用均等室が会社に対して事情聴取を行ったところ、会社は就

  業規則にセクシュアルハラスメント防止についての方針を明記するとともに、管

  理職に職場の状況をチェックさせ定期的に報告させていた。セクシュアルハラス

  メントの苦情・相談窓口についても会社と組合に設置し、文書で周知していた。

   都道府県労働局雇用均等室では、会社の問題として再度行為者に対する対応を

  含めて、就業規則に沿った処理をするよう助言し、併せて再発防止策を講じるよ

  う助言した。





 (会社の対応等)



   会社として本事案の内容を再確認し、対策を検討した結果、就業規則にのっと

  り厳重注意にすることとした。また、再発防止対策として、従業員研修を実施し、

  再度会社の方針等について説明を行うこととした。

   Kは退職の決意をしていたが、会社に慰留され、Kの希望により、新たな部署

  に異動して勤務を続けることとなった。

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