<事例4> 会社に相談したが、セクシュアルハラスメントに当たらないとされた例 −セクシュアルハラスメントへの対応が支店長任せになっており、窓口の周知も 不十分− (相談内容) 支店にパートタイマーとして勤務していた女性労働者Gは、職場で同僚Hと2 人きりになったとき身体を触られる、車で待ち伏せされてホテルに連れ込まれそ うになる等のセクシュアルハラスメント行為を受けた。 このような行為に対して本人に抗議をしたが、Hの態度が改まらないので、上 司に相談したところ、G及びHの事情聴取を行ったが、後日、その上司から「本 件はセクシュアルハラスメントに当たらない。」と言われた。また、なるべく内 々にしてほしいとほのめかされた。Gは、会社のこのような態度が納得できず、 都道府県労働局雇用均等室に相談した。 (都道府県労働局雇用均等室の対応) 都道府県労働局雇用均等室が会社に対して事情聴取を行ったところ、男女雇用 機会均等法が改正された時に、支店長会議でセクシュアルハラスメント防止の必 要性について説明したが、店舗ごとの周知徹底は支店長任せにしており、周知徹 底されていない店舗があることが判明した。また、セクシュアルハラスメントの 相談・苦情窓口担当者も本社の人事部長と決めていたが、周知が十分になされて いなかった。 これらの状況を踏まえ、都道府県労働局雇用均等室は会社に対して、セクシュ アルハラスメント防止についての方針は、各店舗ごとに周知徹底する必要がある こと、相談・苦情窓口担当者についても氏名、相談方法等を明確にし、あわせて 周知する必要があることを助言、指導した。また、今回の事案についても、女性 労働者に我慢を強いるのではなく、再度事情聴取を行い、事実確認を十分行った 上で、必要な措置を講じるよう助言、指導した。 (会社の対応等) 会社は再度G及びHに対して事情聴取を行い、その結果に基づきHを減給処分 とすることを懲罰委員会で決定した。また、Hを異動させ、Gと違う職場で勤務 させることとした。 また、全店舗でセクシュアルハラスメント防止のための方針及びセクシュアル ハラスメントの苦情・相談窓口担当者を徹底するよう指示を出し、幹部をはじめ として従業員研修を行っていくこととした。