<事例1> 上司との性的な噂を流され、辞めてほしいと言われた例 −相談窓口の存在を知らなかったため、相談できず− (相談内容) アルバイトで清掃の仕事をしている女性労働者Aは、上司Bとの身に覚えのな い性的な噂を職場で流された。その後、Aは、Bから「そのような噂がある人は 辞めてもらわないと困ると本社が言っているので辞めてほしい」と言われ、ショ ックを受けた。このような形で辞めなければならないことが納得できないが、会 社のどこに相談すればよいかわからず、都道府県労働局雇用均等室に相談した。 (都道府県労働局雇用均等室の対応) 都道府県労働局雇用均等室が会社に対して事情聴取を行った結果、セクシュア ルハラスメントの相談・苦情窓口は設置されていたが、従業員に対する周知が不 十分であったために、Aが相談・苦情窓口の存在を知らなかったことが判明した。 また、Aに辞めるように言ったのは、人事権のないBが独断で行ったものであ った。 都道府県労働局雇用均等室は、Aが復帰できるように再発防止のための取組を 実施するよう指導した。また、Aが相談・苦情窓口があることを知らなかったた め、会社の対応が遅れたことを指摘し、相談・苦情窓口について十分周知するよ う助言した。今回の事案については、Aは会社から退職勧奨を受けたと思ってい るので、Aに対して会社としての対応を説明するよう助言、指導した。 (会社の対応) 相談・苦情窓口及び会社の方針について従業員への周知徹底を図るとともに、 現場責任者に対する教育を徹底した。 また、会社は、Aに対して事実確認をするとともに、退職する必要はないこと を説明した。噂の出所を突き止めることはできなかったが、Bに対しては、現場 責任者として問題が以前よりあったため、異動をさせた。