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新規大卒者の就職活動等実態調査結果のポイント


1 就職状況

  ● 就職後半年の間に離・転職した4年制大卒女性は8.1%


    調査回答者の平成12年4月の時点での就職率は、4年制大卒女性は

   92.1%、4年制大卒男性は90.8%、短大卒女性は94.9%となって

   いる。就職してから10月までの半年間に、4年制大卒女性で8.1%、4年

   制大卒男性で5.9%、短大卒女性で6.4%が離・転職を経験している。


2 就職活動


  ● 4年制大卒女性の約4割が3年生の12月以前に就職活動を開始


    4年制大卒女性の就職活動を開始した時期は、「平成10年12月以前」に

   開始した者が38.5%(男性34.5%)、「平成11年1月〜3月」が

   38.5%(男性37.5%)となっており、最終学年の前年度末の平成11

   年3月末までに就職活動を始めた者が77.0%(男性72.0%)で、男性

   よりやや早くなっている。
    短大卒女性は、「平成11年1月〜3月」に開始した者が40.4%で最も

   多く、「平成10年12月以前」に開始した者は7.3%となっており、4年

   制大卒より就職活動を開始した時期は遅い。

  ● 資料請求数は女性が男性を上回るが、企業からの資料送付は男性より少

   ない


    資料請求を行った平均企業数は、4年制大卒女性が64.1社、4年制大卒

   男性が59.6社となっている。資料請求に対して、「80%以上」の企業か

   ら資料が送付されてきた女性は35.6%であるのに対して、男性は51.3

   %となっており、資料請求数は女性が男性を上回っているが、企業からの資料

   送付割合は男性より低い。短大卒女性に対する資料送付割合は4年制大卒女性

   より更に低い。
    採用面接・試験を受けた平均企業数は、4年制大卒女性が12.2社、4年

   制大卒男性が11.8社であるのに対して、短大卒女性は6.1社で4年制大

   卒の半分程度と少ない。

  ● 就職活動開始時期は男性より早く、男性より遅い内定時期


    4年制大卒の内定時期は、男女とも「平成11年6月〜7月」がピークで、

   短大卒女性は、「平成11年10月〜平成12年3月」がピークになっている。
    「平成11年5月以前」に内定を受けた4年制大卒女性は18.5%、男性

   は22.4%となっているのに対して、「平成11年10月〜平成12年3月」

   に内定を受けた者は、女性が26.1%、男性が19.1%となっており、就

   職活動の開始時期は女性の方が早いにもかかわらず、内定時期は女性の方が遅

   くなっている。

  ● 就職企業の選択に当たり重視した条件は、「興味がある業種、職種であ

   ること」


    就職企業の選択に当たり、重視した条件は、4年制大卒男女とも、「興味

   がある業種、職種であること」(女性61.0%、男性53.9%)をあげる

   者が過半数を占めているが、次いで、4年制大卒女性は、「仕事の内容が自分

   の適性にあっていること」を、4年制大卒男性は、「会社の経営が安定してい

   ること、将来性があること」をあげている。
    就職活動全般を通して「もっとこうしておけばよかった」と思ったことがあ

   る者は7割を超えており、4年制大卒男女及び短大卒女性とも、「自分の適性

   についてもっと考えておくこと」、「もっと多くの就職情報、企業情報を入手

   すること」が二大反省点となっている。


3 就職活動中、勤務先で出会った男女別取扱い


  ● 4年制大卒女性の最も多くが就職活動中に出会った男女別取扱いは、

   「面接の時に、『結婚や出産をしても働き続けますか』と女性にだけ質

   問していたこと」


    4年制大卒女性は、就職活動中に出会った男女別取扱いとして、「面接の時、

   『結婚や出産をしても働き続けますか』ということを女性にだけ質問していた」

   (32.9%)、「女性には会社案内を送付しない企業があった」(28.6

   %)、「男女で募集人数が異なっていた」(28.3%)をあげる者が多く、

   様々な形での女性に対する差別が残っていることがうかがえる。

  ● 慣行として残っている結婚、出産退職


    勤務先で出会った男女別取扱いについてみると、4年制大卒女性では、「女

   性の管理職、役職者がほとんどいない」をあげる者が34.2%で最も多く、

   次いで「女性のみに制服が支給されている」(30.9%)、が続いているが、

   「妊娠、出産後も働き続けている女性がいない」、「女性は結婚・出産を機に

   退職する慣行がある」をあげる者も2割程度となっており、男女雇用機会均等

   法で禁止されている女性の結婚・出産退職制が、慣行として残っていることが

   わかる。
    結婚・出産退職制の慣行について業種別にみると、4年制大卒女性で、「建

   設業」に就職した者の約4割、「卸売・小売業、飲食店」に就職した者の約3

   割が結婚・出産退職慣行があるとしており、「製造業」、「金融・保険業」に

   おいても2割を超えている。


4 就業意識

  ● 就職後に強まる転職志向


    就職活動中には、4年制大卒及び短大卒女性は、「結婚、妊娠、出産等家庭

   の事情で仕事を途中で辞めても再び働きたい」としていた者が最も多く、4年

   制大卒男性は、「定年までずっと働きたい」としていた者が最も多かったが、

   就職後には、それぞれ「定年までずっと働きたい」が減少するとともに、「も

   っと好条件や自分を活かせる企業、職業があれば転職したい」が大幅に増加し、

   4年制大卒女性、4年制大卒男性、短大卒女性のいずれにおいてもトップを占

   めており(それぞれ36.8%、50.9%、33.9%)、転職志向の強さ

   をうかがわせる。

  ● 「仕事もプライベートも大切にしたい」が主流派


    就職活動中も就職後も、「仕事もプライベートも大切に考えていきたい」と

   していた者が最も多く、主流派を占めているが、就職後には、「どちらかとい

   えば仕事を中心に考えていきたい」が減少し、「どちらかといえば仕事よりプ

   ライベートを中心に考えていきたい」が増加しており、わずかながらプライベ

   ート重視に移行していることがみてとれる。





 調査結果内容の詳細及び付表については、(財)21世紀職業財団のホームページ

でご覧ください。

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