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別添







    軌道内等の作業における列車との接触災害防止のためのガイドライン







第1 目的等



 1 目的



   本ガイドラインは、労働安全衛生関係法令と相まって、列車との接触災害を防

  止するための計画の作成、列車の運行状況等の確実な把握、適切な監視体制の確

  立、確実な待避の実施等安全対策として必要な措置を講じることにより、軌道内

  等の作業における列車との接触災害の防止を図ることを目的とする。





 2 定義



   本ガイドラインにおいて、次の各号に掲げる用語の意味は、当該各号に定める

  ところによる。



 (1)接触災害

    労働者が列車(工事用車両を含む。以下同じ。)と接触すること(機械等を

   介して接触することを含む。)により発生する労働災害をいう。

 (2)軌道内等の作業

    線路等(線路又は線路に近接した場所をいう。以下同じ。)で行う線路、建

   造物、電気施設、運転保安設備等の新設、変更、保守、点検、検査等の作業

   (これらの作業に付随する作業及びこれらの作業を行うために線路内等を通行

   する場合を含み、明らかに接触災害の発生のおそれのない場合を除く。)をい

   う。







第2 基本的な考え方



   軌道内等の作業における列車との接触による労働災害は、軌道内等の作業が列

  車の運行の合間に行われ、軌道内等の作業に従事する労働者が安全な場所に待避

  する前に作業場所へ列車が進入することにより発生しているものである。

   このような労働災害を確実に防止するためには、@接触災害を防止するための

  計画を作成すること、A列車の運行状況等を確実に把握すること、B適切な監視

  体制を確立すること、C軌道内等の作業に従事する労働者が確実に待避できるよ

  うにすることが必要であることから、本ガイドラインにおいては、こうした措置

  を講じる上で必要な事項を中心に示すこととする。







第3 事業者等の責務



   軌道内等の作業を行う事業者(以下「事業者」という。)及び鉄道事業者は、

  本ガイドラインに基づく措置を講ずることにより、軌道内等の作業における列車

  との接触災害の防止に努めるものとする。

   軌道内等の作業を行う労働者は、事業者が行う本ガイドラインに基づく措置を

  遵守することにより、軌道内等の作業における列車との接触災害の防止に努める

  ものとする。







第4 事業者等が講ずべき措置



 1 事業者が講ずべき措置



   事業者は、次に掲げる措置を講ずること。

   ただし、元方事業者(事業者で、一の場所において行う軌道内等の作業の一部

  を他の事業者に請け負わせているもの。当該作業の一部を請け負わせる契約が二

  以上あるため、その者が二以上あることとなるときは、当該請負契約のうちの最

  も先次の請負契約における注文者とする。)が作業場所においてに統一的に措置

  する場合については、他の事業者は当該措置によることとして差し支えないこと。



 (1)接触災害を防止するための計画の作成等

   イ 鉄道事業者との打合せ

     接触災害を防止するため、鉄道事業者と、列車の運行状況の確認方法、監

    視人の配置方法、待避場所の設定方法等について打合せを行うこと。

   ロ 接触災害を防止するための計画の作成

     イの打合せの結果を踏まえ、次の事項を記載した計画を作成すること。

    なお、作業計画にそれらの事項が含まれている場合又は接触災害を防止する

    ための規程が別に定められ、当該規程にそれらの事項の記載がある場合には、

    それによることとして差し支えないこと。

    (イ)列車の運行状況等の確認方法

    (ロ)監視人の配置方法

    (ハ)列車が接近する場合の合図等の方法

    (ニ)待避の方法

    (ホ)工事用車両の使用方法

 (2)列車の運行状況等の確実な把握

   イ 列車の運行ダイヤの入手

     作業開始前に、作業日の作業予定時間帯における列車の運行ダイヤを入手

    するとともに、作業現場に必ず携行させること。

   ロ 列車の運行ダイヤの変更等の連絡体制の整備

     作業開始の直前に列車の運行状況を確認させるとともに、列車の運行ダイ

    ヤの変更等について、鉄道事業者との連絡が行えるようにすること。

   ハ 列車が進入しない措置の確認

     道事業者が線路閉鎖等列車が進入しない措置を講ずる場合には、作業開始

    前に、当該措置の確認を行うこと。

 (3)適切な監視体制の確立

   イ 監視人の配置

     次により、監視人を配置すること。

    (イ)列車の速度及び待避に必要な時間から求められる距離、列車の制動距

      離等から、待避の合図をすべき列車の位置を定め、作業場所付近の地形、

      線路の状況、天候による視界距離等を考慮して、当該位置にある列車を

      現認し、作業者等に確実に連絡できる場所に監視人を配置すること。

       また、必要に応じ中継の監視人を配置すること。

    (ロ)監視人の配置後に、軌道内等の作業を開始すること。

    (ハ)監視人は、監視の業務について十分な知識及び経験を有する者の中か

      ら選任するとともに、監視の業務に専念させること。

    (ニ)待避の合図を確実に伝えるための待避合図用の器具等を携行させ、使

      用させること。

   ロ 監視装置の設置

     監視装置を設置する場合には、イの監視人を配置する場合と同等以上の効

    果が認められる監視装置を設置すること。

     また、監視装置を使用する際には、監視装置の警報、信号等が確実に監視

    人又は作業者に伝わるよう必要な措置を講じること。

 (4)確実な待避の実施等

   イ 作業開始前の確認

     作業開始前に、作業者及び監視人の点呼を行うとともに、当日の作業内容、

    列車の運行状況、監視人の位置、待避の合図、待避の場所等について確認し、

    周知徹底すること。

   ロ 待避場所等の確認

     作業開始前に、作業者が待避場所に安全に待避することができるかどうか

    を確認すること。

     また、待避訓練を行うよう努めること。

   ハ 待避の確認等

     待避を行う際には、監視人に、待避の完了を確認させること。

     待避の完了が確認できなかった場合には、列車を停止させる措置を講ずる

    こと。

   ニ 待避後の作業の開始

     新たに接近する列車のないことを監視人に確認させた後に、作業を開始す

    ること。

 (5)その他の接触災害防止措置

   イ 安全管理体制の整備等

     作業の規模、内容等に応じた安全管理体制を整備するとともに、安全管理

    を行う者の役割、責任及び権限を明確にすること。

   ロ 線間防護柵等の設置

     必要に応じて、線間防護柵、線間ロープ、立入禁止柵、作業表示標識等を

    設置すること。

   ハ 線路内の通行

     線路の点検作業等で線路内を通行させる場合には、可能な限り列車の走行

    方向と対面する方向に向けて通行させること。

   ニ 悪天候時における対応

     軌道内等の作業の開始後に天候が悪化し、(3)のイの(イ)の位置にあ

    る列車の確認が困難となった場合には、監視人に待避の合図を行わせ、作業

    を中断すること。

   ホ 教育・訓練の実施

    (イ)作業者、監視人等に対して、接触災害の防止について、教育・訓練を

      実施すること。

    (ロ)教育・訓練の実施に当たっては、対象者の軌道内等の作業の経験に応

      じた効果的な内容、方法により、計画的、継続的に行うこと。

    (ハ)必要に応じて、危険予知活動を行い、作業者の安全意識の高揚に努め

      ること。





 2 元方事業者として講ずべき措置



   元方事業者は、1に掲げる事業者の講ずべき措置のうち、監視人の配置等列車

  との接触災害の防止のために作業場所で統一的に行うべきものについて、自ら実

  施し、又は関係請負人に実施させること。





 3 鉄道事業者として講ずべき措置



   鉄道事業者は、軌道内等の作業を他の事業者に請け負わせる場合には、次の措

  置を講ずること。



 (1)工事の発注に際し、作業方法等について、列車との接触災害の防止を図るう

   えで支障のある条件を附さないように配慮すること。

 (2)軌道内等の作業に先立ち、元方事業者又は事業者と列車との接触災害の防止

   のために必要な事項等について、打合せを行うこと。

 (3)臨時列車、回送列車の運行を含め、作業日の作業予定時間帯におけるすべて

   の列車の運行ダイヤを、確実に、元方事業者又は事業者に連絡すること。

    また、列車の運行ダイヤに変更があった場合には、確実に変更の内容を元方

   事業者又は事業者に連絡すること。

 (4)事業者が行う教育・訓練に対して、必要な指導・援助を行うこと。




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