参 考 【用語集抜粋】 ・Kociba 1978年にKocibaらはラットを用いたTCDDの投与実験で肝細胞の過形成結節及び 肝細胞がんの増加を報告した。 ・NIOSHの調査 米国の国立産業安全衛生研究所 (National Institute for Occupational Safety and Health:NIOSH)において、 大規模なダイオキシンへの職業上のばく露に関する研究が、米国の5,172人の化 学工場労働者を対象とした後ろ向きの追跡調査研究として行われた。 ・lARCの調査 国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer:IARC)は 12ケ国の化学工場の労働者を登録したデータベース(1939年〜1992年、21,836名) の分析により、フェノキシ系除草剤と死亡原因との調査を行った。 ・オランダでの調査 フェノキシ農薬製造労働者のうち、195O年〜1969年のばく露者562名の後ろ向 きコホート調査が実施された。 ・ドイツでの調査 4つのプラントにおけるフェノキシ農薬製造労働者のうち、1989年〜1992年の ばく露者2,479名の後ろ向きコホート調査が実施された。 ・セベソの事故 1976年、北イタリアのセベソにある農薬工場でTCDDが直接大気中に放出される という事故が起き、住民全員の強制疎開や土壌の撤去、10年間の居住禁止など の強い処置がとられた。最もひどく汚染された地域はA地域と名付けられた。こ れより汚染の軽かった地域はB地域と名付けられ公式の避難命令はなかった。さ らに汚染が軽く危険でないと見なされた地域はR (注意または危険)地域と名付 けられた。 ・ベトナム枯葉剤 1961年から71年にかけて米国がベトナム戦争でジャングル戦を容易にするため に使用した「枯葉剤」に不純物としてダイオキシン類が微量含まれていたことか ら、この作戦に参加した兵士のダイオキシン類ばく露が問題となっている。 ・ BASFの事故 1953年、農薬を製造していたBASF (Badischer Anilin and Soda-Fabrik)社(旧 西ドイツ)で爆発が起こり、労働者にクロルアクネ等の障害が発生した。 ・全 癌 身体の部位にかかわらず、悪性腫瘍(癌)をまとめて表す。 ・軟部組織肉腫(soft tissue sarcoma:STS) 軟部組織肉腫とは体の軟部組織から発生した悪性腫瘍(癌)である。軟部組織と は、筋肉、結合組織(腱)、脂肪、血管、リンパ管、関節、神経を指す。 ・非ホジキン性リンパ腫(non-Hodgkin lymphoma:NHL) リンパ組織の癌で悪性リンパ腫のひとつ。悪性リンパ腫は、リンパ節等にホジ キン細胞とよばれる異常な細胞が出現する「ホジキン病」と、ホジキン細胞がみ られない「非ホジキン性リンパ腫」の2つのタイプに大きく分類される。 ・標準化死亡比(standardized mortality ratio:SMR) 年齢により死亡数が異なる疾患(がん等)では、比較対象となる集団の年齢分布 を基準(標準集団)として、比較を行う集団の死亡率を補正(標準化死亡)し、 2つ の集団の死亡率の比(SMR)を求め比較する。