タイトル:事業場におけるごみ焼却施設のダイオキシン類対策について

発  表:平成10年7月24日(金)

担  当:労働基準局安全衛生部化学物質調査課

            電 話 03-3593-1211(内線5511)

                03-3502-6756(夜間直通)









 労働省は、事業場におけるごみ焼却施設のダイオキシン類による労働者の健康影響

を予防するため、平成9年10月に中央労働災害防止協会に「廃棄物処理業務等にお

ける化学物質による健康障害防止に関する調査委員会」を設け、ごみ焼却施設におけ

る作業環境の実態調査とその対策について検討を進めているところであるが、その検

討における中間報告の中で、ダイオキシン類に対する予防対策の必要性が指摘された

ところである。

 今後、更に調査研究を深めるべく、知見の収集に努めているところであるが、今般、

ごみ焼却施設におけるダイオキシン類への対応が社会的関心を集めていることにかん

がみ、労働者が安心して働ける職場を形成するため、当面の労働衛生対策として下記

事項について定め、各都道府県労働基準局長あて通達した。(概要は別添のとおり。)





                   記                  



          @焼却炉周辺の作業場の環境評価             

          A作業場における灰等の発散の抑制措置          

          B呼吸用保護具の使用                  

          C粉じんの付着しにくい作業衣等の着用          

          D焼却炉の内部の作業等における措置           






別添



   「ごみ焼却施設における当面のダイオキシン類の対策」についての概要   





1 空気中のダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾジオキシン及びポリ塩化ジベンゾフ

 ランをいう。)について定期的に作業環境の測定及び当該作業場の作業環境の評価

 を行うこと。

 (1) 作業環境の評価に当たっては、ダイオキシンを分析し、測定すること以外

    に、ダイオキシンのほとんどが粉じんに吸着していることから、空気中の総

    粉じん濃度の測定で代用できるようにしたこと。

 (2) 職場の空気中のダイオキシン類の管理すべき濃度は2.5pgTEQ/mとした

    こと。



2 作業場における灰等の発散の抑制措置として、次の改善を実施すること。

 (1)燃焼工程、作業工程の改善

 (2)発散源の密閉化

 (3)作業の自動化や遠隔操作方式の導入

 (4)局所排気装置及び除じん装置の設置

 (5)作業場の湿潤化

 (6)作業場の全体換気



3 有効な呼吸用保護具の使用をすること。



4 作業中は労働者に粉じんの付着しにくい作業衣、作業手袋等を着用させること。



5 焼却炉の内部の作業等においてはエアラインマスク等を着用させること。





(参考)

 (1)pg(ピコグラム):1gの1兆分の1の重さをいう。

 (2)TEQ:ダイオキシン類は210種類ある異性体等の総称であるが、各々の

        物質には毒性の強弱があるので、それらに毒性に係る係数を乗じて、

        最も毒性の強い2,3,7,8-Dibenzo-Dioxin(ジベンゾジオキシン)の量

        に換算したものをいう。(Toxic Equivalentsの略)





参考資料




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