タイトル:健康で安心して働ける勤労者生活の実現に向けて
────平成10年度労働基準行政運営方針を決定────
発 表:平成10年2月19日
担 当:労働省労働基準局監督課
電 話 03-3593-1211(内線5423、5425)
03-3502-6742(夜間直通)
1 労働省労働基準局は、平成10年度の労働基準行政運営方針を決定し、都道府
県労働基準局に対し、本日示した。
この運営方針は、労働基準行政の運営についての基本方針を明確かつ簡潔に示
すことにより、行政を統一的かつ計画的・効果的に推進し、同時に、労使を始め
とする国民全体の労働基準行政に対する理解と協力を得ることを目的として、毎
年策定しているものである。
2 平成10年度の運営方針では、現下の厳しい経済情勢とともに、内外にわたる
経済環境や産業・就業構造の大きな変化、急速な少子・高齢化の進展に伴う労働
力供給構造の変化に的確に対応し、「健康で安心して働ける勤労者生活の実現」
に向けて、本省・都道府県労働基準局・労働基準監督署が一体となって行政を推
進するため、労働時間法制及び労働契約等法制の整備を推進するとともに、週4
0時間労働制の完全定着を始めとした法定労働条件の履行確保はもとより、より
質の高い労働条件、労働環境の実現を図ることを目指している。
3 今後、各都道府県労働基準局においては、この運営方針を踏まえつつ、各局内
の実情に即した課題を選定し、重点的かつ計画的に行政の推進に取り組むことと
している。
平成10年度労働基準行政運営方針の概要
〔労働基準行政を取り巻く情勢と課題〕 |
○ 社会経済情勢
・ 景気はこのところ停滞しており、雇用情勢も厳しい状況
・ 内外にわたる経済環境や産業・就業構造の大きな変化、少子
・高齢化の進展に伴う労働力供給構造の変化 |
○ 労働基準行政を取り巻く情勢と課題
(1) 労働基準法制を取り巻く情勢と課題
・ 経済のグローバル化、産業構造や就業意識の変化など
内外にわたる経済社会の変化
→ 労働者の主体的な選択の可能性を広げ、健康で安心
して働ける環境の形成を図ることが課題
(2) 労働時間を取り巻く情勢と課題
・ 平成9年の年間総実労働時間は1,900時間
・ 週40時間労働制の実施割合は約8割
→ 中小企業に対し、地域の実情に応じた効果的かつき
め細かな指導・援助を精力的に行うことが必要
(3) 現下の経済情勢の変化に対応した労働条件面での課題
・ 経済情勢を反映して企業倒産が増加
→ 解雇や賃金不払事案の早期把握、相談・申告への的
確な対応
(4) 労働者の安全と健康確保を取り巻く課題
・ 死亡災害、重大災害が減少傾向を示さず
・ 安全衛生に係る意識の低下や活動の停滞が懸念
→ 原点に立ち返って安全衛生活動の展開を図り、死亡
災害の大幅な減少が重要な課題
(5) 労災補償を取り巻く情勢と課題
・ 「過労死」「自殺」等の複雑・困難事案の迅速・適正
な処理
・ 重度被災労働者に対する介護施策の推進 |
〔平成10年度労働基準行政の重点対策〕 |
1 労働時間法制及び労働契約等法制の整備等
(1) 経済社会の変化に対応した労働基準法の改正等
(2) 改正労働基準法等の周知
(3) 労働条件紛争の解決援助のためのシステムの整備 |
2 労働時間対策
(1) 週40時間労働制の完全定着及び労働時間短縮の促進
(2) 年次有給休暇の取得促進
(3) 所定外労働時間の削減対策の推進
(4) フレックスタイム制等の弾力的な労働時間制度の普及促
進及び指導・援助 |
3 労働条件改善対策
(1) 解雇、賃金不払事案等に対する的確な対応及び未払賃金
立替払制度の適切な運営等
(2) 最低賃金制度の適正な運営及び賃金・退職金制度等の改
善の推進
(3) 労働基準法の実効性の確保のための取組の推進等 |
4 労働者の安全と健康確保対策
(1) 原点に立ち返った安全衛生活動の展開
(2) 死亡災害を大幅に減少させるための施策の展開
(3) 労働者の健康確保対策 |
5 労災補償対策
(1) 労災保険給付の迅速・適正な処理
(2) 重度被災労働者に対する介護施策の推進
(3) 被災労働者の早期社会復帰対策の総合的推進 |
〔労働基準行政の基本的対応〕 |
○ 法定労働条件の履行確保を図るため、的確な監督指導を実施
○ 行政指導、相談援助等の効果的展開
○ 的確かつ効果的な広報の実施、関係団体・機関との連携 |
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平成10年度労働基準行政の運営について
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