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分煙効果判定基準策定検討会報告書 平成14年6月
3.現在の基準
喫煙対策の方法として、全面禁煙、空間分煙、時間分煙などがあるが、喫煙対策の
評価方法には、喫煙場所や禁煙場所の状況調査、アンケートによる意識調査、空気環
境の測定などがある。分煙対策を行う際には、喫煙区域と禁煙区域が共存しているた
め、特にたばこ煙による空気環境への影響を評価するための測定が必要となる。
公共の場所における分煙対策については「公共の場所の分煙のあり方検討会報告書」
(厚生省 平成8年3月)の中で分煙方法の具体的内容として空間分煙と分煙手法の
組合せによって次の4つに分類しているが、評価基準は示していない。
A:喫煙場所を完全に分割された空間とする。
B:喫煙場所を設置し、分煙機器(環境たばこ煙を屋外に排出する機器、空気清
浄器、喫煙場所を他の区域と分割する機器やその複合体)により環境たばこ煙
が完全に流れ出ないようにする。
C:喫煙場所を設置し、分煙機器を用いて環境たばこ煙を軽減する。
D:喫煙場所を設置するが、分煙機器は使用しない。
一方、職場としての事務所においては事務所衛生基準規則(労働安全衛生法)にお
いて室内空気の環境基準として一酸化炭素濃度、炭酸ガス濃度についてそれぞれ
50ppm、5000ppmと定められている。また、中央管理方式の空気調和施設等のある事務
所においては供給空気の清浄度の基準として浮遊粉じん濃度、一酸化炭素濃度、炭酸
ガス濃度についてそれぞれ0.15mg/立方メートル以下、10ppm以下、1000ppm以下と定
められている。
また、ビル衛生管理法では、中央管理方式の空気調和設備、あるいは機械換気設備
を設けている場合は、浮遊粉じん濃度、一酸化炭素濃度、炭酸ガス濃度の基準値は、
それぞれ0.15mg/立方メートル,10ppm,1000ppm以下、また気流については冷風の人体
に対する影響を考慮して0.5m/s以下と定められている。
職場における喫煙対策については「職場における喫煙対策のためのガイドライン」
(1)(労働省 平成8年2月)の中で、全面禁煙、時間分煙、空間分煙の3つの方法
のうち空間分煙を進めることが適切であるとされている。また、たばこの煙が職場の
空気環境に及ぼしている影響を把握するため、事務所衛生基準規則に準じて、空気環
境の測定を行い、浮遊粉じん、一酸化炭素の濃度がそれぞれ0.15mg/立方メートル、
10ppmの基準値以下となるよう必要な措置を講ずることとされている。
参考文献
1) 労働省安全衛生部編:やさしい空気環境へー職場における喫煙対策推進マニュア
ル、中央労働災害防止協会、1996
2) ACGIH、沼野雄志 訳:1999 TLVs and BEIs、(社)日本作業環境測定協会、1999
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