タイトル:在宅就労の環境整備、ガイドラインの策定を
−「在宅就労問題研究会」中間報告−
情報通信の高度化、情報通信機器の普及により、個人が自宅等においてパソコン 、ワープロ等を使用し、データ入力等を行う「在宅就労」が増加してきている。 こうした在宅就労については、育児、介護等と仕事の両立のための有力な手段と して、社会的な期待や関心も極めて大きなものとなっているものの、トラブルの発 生も少なくない状況である。 このため、労働省では、平成10年7月から、「在宅就労問題研究会」(座長: 諏訪康雄法政大学社会学部教授)を開催し、同研究会において実態の把握・分析と 施策のあり方について検討を進めていたが、このほど中間報告が取りまとめられた 。 (注) 「在宅就労」とは、情報通信機器を活用して在宅形態で自営的に行われる働 き方をいう。 したがって、雇用関係の下で行われる「在宅勤務」は、ここで は対象に含まれない。 〈中間報告のポイント〉 1 在宅就労の現状と課題 ○現在、情報通信機器を活用した在宅就労者数は20万人弱と推計される。 ○在宅就労者の7割は女性。また、全体の半数が子供のいる女性である。 ○育児、介護等との両立が容易であるなど自らのペースで柔軟・弾力的に働ける。 ○在宅就労は今後とも拡大する可能性が大きい。 ○しかしながら、在宅就労者の契約条件をめぐるトラブルの発生や在宅就労希望 者が良質な仕事を確保することが困難であることなどの問題がある。例えば、 ・仕事の仕上がり、報酬額、納期等に関するトラブル ・発注される仕事と在宅就労者の技能レベルのミスマッチ ・需給調整システムの未整備 などが指摘されている。 2 施策のあり方及び当面講ずべき具体的措置 在宅就労という働き方が健全に発展していくためには、@契約に係る最低限の ルールを確立して、関係当事者の自主的な遵守を促すとともに、A在宅就労希望 者が良質の仕事を確保するための公的支援を行っていくことが必要である。 このため、当面、次の措置を講ずべきである。 ○在宅就労の適正な実施を確保するためのガイドラインの策定、周知・啓発 ○在宅就労者等に対する各種情報提供 ○在宅就労者等に対する相談体制の整備 ○能力開発・能力評価に係る支援