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(資料3)



改正男女雇用機会均等法施行後2ヵ月の状況





1 求人(募集)等関係−新聞の求人広告から男女別の欄柱が廃止される



  新聞の求人広告は、これまで男性欄、女性欄に分けて掲載されるのが一般

 的であったが、4月1日の新聞の求人欄から全国紙、地方紙、スポーツ紙は

 全て男女別の欄柱を廃止し、職種別、業種別等の欄柱に変更した。また、折

 り込み広告についても、かなりの男女別の募集がなくなった。なお、法違反

 の男女別の募集については、女性少年室が是正指導を行っている。

  また、女性の求職者をターゲットにした求人情報誌も、主要な求人情報誌

 は4月1日を待たずして3月には、男女とも対象とする内容のものに編集コ

 ンセプトが変更された。

  女性少年室には、法施行前には、企業、求人広告媒体からの問い合わせが

 非常に多かったが、法施行後は一時期に比べると落ち着いてきている。内容

 的には、引き続き、適用除外又は女性特例に該当するか否か、求人広告の表

 現ぶりに関するものが多い。また、相談者では、以前にはなかった男性労働

 者からの相談があるようになった。

  なお、現下の厳しい雇用情勢を反映して、女性であること又は妊娠・出産

 を理由とした解雇に関する相談も増えているところである。





2 企業の対応関係



(1)就業環境整備状況−女性の職域拡大のための就業環境の整備がみられる

   女性の時間外・休日労働、深夜業の規制が解消されたことにより、4月

  以降はこれまで女性の就業が制限されていた分野への女性の配置が可能と

  なったことから、従来男性社員が多かった自動車、鉄鋼などの大手製造業、

  バス、地下鉄などの運輸業、電力供給業などでは、深夜の時間帯を含む交

  替制勤務にも女性を配置するなど、女性の職域の拡大に向けての取組が見

  られる。

   また、「深夜業に従事する女性労働者の就業環境等の整備に関する指針」

  に沿って送迎バスの運行、タクシーチケットの提供、駐車場の防犯灯の整

  など防犯面での安全を確保するための措置を講ずるとともに、従来整備

  されていなかった女性用の宿泊施設、仮眠室・休養室、更衣室、トイレの

  設置や工具の軽量化等の製造ラインの改善など必要な就業環境の整備が行

  われている。



(2)セクシュアルハラスメント防止対策取組状況−さまざまな取組を実施

   職場におけるセクシュアルハラスメントの防止対策については、改正均

  等法施行前から企業の関心が高く、指針で義務づけられた防止のための配

  慮の具体的な方法について、大企業を中心として多くの相談が女性少年室

  に寄せられていたが、改正均等法施行後は中小・零細企業からの問い合わ

  せも多くなっている。

   また、女性労働者からの相談は法施行後さらに増加しており、中には精

  神的ダメージを受け心理的なケアが必要なものもいる。

   各企業では、指針で求められる措置についてさまざまな取組が実施され

  ている。具体的には、職場でのセクシュアルハラスメントは許さないとい

  う企業の方針の明確化の方法としては、就業規則に方針等を記載する企業

  が多いが、倫理規定の策定労使協定の締結等も行われており、Q&A式

  の小冊子を全従業員に配付したり、管理職として配慮すべき事項を名刺サ

  イズのカードに記載し管理職全員に配付した企業もみられる。

   また、従業員の意識啓発のための取組では、既存の従業員研修や管理職

  研修に啓発プログラムを加えて実施する企業が多く、啓発用ビデオを職場

  に備え付け視聴させている企業、従業員に対するアンケート調査を実施し、

  男女別の意識や職場の実態を周知して問題提起を図る企業もみられる。

   セクシュアルハラスメントに関する相談・苦情に対応するため、人事労

  務部門に相談窓口を設置する、既存の苦情処理委員会を活用するとしてい

  る企業が多いが、相談担当者を専門的知識を有する部外のカウンセラーと

  したり、相談しやすい窓口とするため相談専用電話を開設し、番号を記載

  した「ホットラインカード」を従業員に配付した企業も出てきている。



(3)ポジティブ・アクションに係る取組状況−企業の理解が次第に進む

   ポジティブ・アクションについては、労働省において、改正均等法施行

  前から、導入のためのガイドラインやワークシートの作成・普及、トップ

  セミナーや業種別使用者会議の開催等により、企業の具体的取組を援助し

  てきたところであり、その結果、企業の理解は次第に進み、取組が始めら

  れているところである。

   具体的には、女性労働者の現況を分析し、女性の管理職登用や長期的育

  成をめざす企業では、女性の育成、意識改革のための研修昇格運用基準

  や人事考課基準の明確化評価者研修女性従業員ごとの長期的キャリア

  プランの策定と継続的な援助女性管理職プレ登用研修等についての取組

  を行っている。

   その他、女性社員の比率を高めるための数値目標を設定した採用計画の

  策定、女性の職域拡大のための製造ラインの改善重量物の解消のための

  商品の小口化浴室、トイレ等の整備などの取組もみられるところである。




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