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資料3
地域保健対策の推進に関する基本的な指針(抜粋)
平成6年12月厚生省告示第374号
(改正)平成12年3月厚生省告示第143号
急速な人口の高齢化や出生率の低下、慢性疾患の増加等による疾病構造の変化、よ
り豊かな生活を求める国民のニーズの高度化や多様化、食品の安全性、廃棄物等の生
活環境問題に対する国民の意識の高まり等といった地域保健対策を取り巻く状況の変
化に的確に対応するため、地域住民の健康の保持及び増進を図る地域保健対策の総合
的な推進を図ってきたが、その後、地域保健を取り巻く状況は、地域における健康危
機事例の頻発、社会の複雑化に伴う精神保健に対するニーズの高度化、ノーマライゼ
ーションも含めたより豊かな社会を求める国民のニーズの高度化や多様化、介護保険
制度の実施等といった大きな変化を生じている。
こうした状況の変化に的確に対応するため、地域保健対策を推進するための中核と
しての保健所、市町村保健センター等及び地方衛生研究所を相互に機能させるととも
に、地域の特性、社会福祉、介護保険等の関連施策との有機的な連携及び科学的な根
拠に基づく地域保健対策の推進に配慮することにより、地域住民の健康の保持及び増
進並びに地域住民が安心して暮らせる保健医療体制の確保を図るための地域保健対策
を総合的に推進することが必要である。
この指針は、地域保健体系の下で、市町村(特別区を含む。第二の一の2を除き、
以下同じ。)、都道府県、国等が取り組むべき方向を示すことにより、地域保健対策
の円滑な実施及び総合的な推進を図ることを目的とする。
第一 地域保健対策の推進の基本的な方向
(略)
六 地域における健康危機管理体制の確保
地域において発生した健康危機に対して、迅速かつ適切な危機管理を行うた
めに、地域における健康危機管理体制を確保する必要がある。
このため、都道府県及び市町村は、それぞれの保健衛生部門の役割をあらか
じめ明確にするほか、健康危機情報が、健康危機管理体制の管理責任者に対し
て迅速かつ適切に伝達され、一元的に管理されるとともに、管理責任者から保
健衛生部門に対する指示が迅速かつ適切に伝達され、かつ、他の地方公共団体
を含む関係機関及び関係団体との連携及び調整が確保された健康危機管理体制
を構築する必要がある。なお、健康危機管理体制の中心となる管理責任者とし
ては、地域の保健医療に精通した保健所長が望ましい。
また、健康危機が発生した場合の危機管理体制について定めた手引書を整備
するとともに、手引書の有効性を検証のための訓練、適切に健康危機管理を行
うことができる人材の育成、必要な機器及び機材の整備等を行う必要がある。
第二 保健所及び市町村保健センターの整備及び運営に関する基本的事項
保健所は、地域保健に関する広域的、専門的かつ技術的拠点としての機能を強化す
るほか、地域の医師会の協力の下に医療機関との連携を図ること等により、また、市
町村は、住民に身近で利用頻度の高い保健、福祉サービスを一元的に実施するため、
市町村保健センター等の体制の整備を積極的に推進すること等により、ライフサイク
ルを通して一貫した保健、医療、福祉サービスを提供することが重要である。
このため、市町村、都道府県及び国は、次のような取組を行うことが必要である。
(略)
(5) 地域における健康危機管理の拠点としての機能の強化
ア 健康危機の発生に備え、保健所は、地域の保健医療の管理機関として、
平常時から、法令に基づく監視業務等を行うことにより、健康危機の発生
の防止に努めるほか、広域・災害救急医療情報システム等を活用し、地域
医療とりわけ救急医療の量的及び質的な提供状況を把握し、評価するとと
もに、地域の医師会及び消防機関等の救急医療に係る関係機関と調整を行
うことにより、地域における医療提供体制の確保に努め、また、保健衛生
部門、警察等の関係機関及びボランティアを含む関係団体と調整すること
により、これらとの連携が確保された危機管理体制の整備に努める必要が
あること。なお、地域の保健医療情報の集約機関として、保健所の対応が
可能となるよう、休日及び夜間を含め適切な対応を行う体制の整備を図る
こと。
イ 健康危機発生時において、保健所は、広域・災害救急医療情報システム
等を活用し、患者の診療情報等の患者の生命に係る情報の収集及び提供、
健康被害者に対する適切な医療の確保のための支援措置等を図ること。ま
た、管内の市町村に対して法令に基づき、健康危機管理を適切に行うこと。
ウ 健康危機事例発生後において、保健所は、保健医療福祉に係る関係機関
等と調整の上、健康危機発生に当たっての管理の体制並びに保健医療福祉
の対応及び結果に関し、科学的根拠に基づく評価を行い、公表するととも
に、都道府県が作成する医療計画及び障害者計画等の改定に当たって、そ
の成果を将来の施策として反映させることが必要であること。なお、健康
危機による被害者及び健康危機管理の業務に従事する者に対する精神保健
福祉対策等を人権の尊重等に配慮しつつ、推進すること。
(略)
第三 地域保健対策に係る人材の確保及び資質の向上並びに人材確保支援計画の策定
に関する基本的事項
地域保健対策に係る多くの職種に渡る専門技術職員の養成、確保及び知識又は技術
の向上に資する研修の充実を図るため、市町村、都道府県及び国は、次のような取組
を行うことが必要である。
一 人材の確保
1 都道府県、政令市及び特別区は、地域における健康危機管理体制の充実等
の観点から、保健所における医師の配置に当たっては、専任の保健所長を置
くように努める等の所管区域の状況に応じた適切な措置を講じるように努め
ること。
(略)
第六 その他地域保健対策の推進に関する重要事項
一 地域における健康危機管理体制の確保
地域住民が安心して暮らせるためには、地域における健康危機管理体制を確
保することが重要である。
このため、都道府県及び市町村は、次のような取組を行う必要がある。
1 都道府県は、健康危機管理に際して、救急医療体制の整備、健康危機情報
の収集、分析及び提供等を行う必要がある。
2 政令市及び特別区は、保健所等の関係機関及び都道府県との連携を図るほ
か、地方衛生研究所等の充実等を図ることにより、検査機能の充実強化を図
る必要がある。
3 市町村は、健康危機情報を把握した場合には、法令に基づく対応を行うほ
か、住民に最も身近な地方公共団体として、住民に対する健康被害予防のた
めの情報の提供に大きな役割を担う必要がある。
4 政令市及び特別区を除く市町村は、都道府県の設置する保健所に対して、
収集した健康危機情報を速やかに伝達し、保健所長の法令に基づく指示、技
術的助言及び支援を受け、これらに基づく対応を行う必要がある。
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