III 調査結果 1 生産・売上、所定外労働時間、雇用 (1) 生産・売上 イ 製造業の生産判断D.I.は、11年1〜3月期実績マイナス18ポイントと マイナス幅が縮小した。先行きは、11年4〜6月期実績見込マイナス14ポ イント、11年7〜9月期見込マイナス8ポイントとなっている(第1図、 第1表)。 ロ 卸売・小売業,飲食店の売上判断D.I.は、11年1〜3月期実績プラス1 ポイントとプラスに転じた。先行きは、11年4〜6月期実績見込マイナス5 ポイント、11年7〜9月期見込マイナス5ポイントとなっている(第1図、 第1表)。 ハ サービス業の売上判断D.I.は、11年1〜3月期実績マイナス14ポイント とマイナス幅が拡大した。先行きは、11年4〜6月期実績見込マイナス17ポ イント、11年7〜9月期見込マイナス7ポイントとなっている(第1図、 第1表)。 ニ 製造業について業種別にみると、11年1〜3月期実績は消費関連業種でマ イナス9ポイント、素材関連業種でマイナス22ポイント、機械関連業種でマ イナス18ポイントとなった。先行きは、消費関連業種で11年4〜6月期実 績見込マイナス2ポイント、11年7〜9月期見込マイナス8ポイント、素材 関連業種で11年4〜6月期実績見込マイナス21ポイント、11年7〜9月 期見込マイナス10ポイント、機械関連業種で11年4〜6月期実績見込マイ ナス21ポイント、11年7〜9月期見込マイナス7ポイントとなっている (第1表)。 (2) 所定外労働時間 イ 製造業の所定外労働時間判断D.I.は、11年1〜3月期実績マイナス13 ポイントと前期に引き続きとマイナスとなった。先行きは、11年4〜6月期 実績見込マイナス14ポイント、11年7〜9月期見込マイナス15ポイント となっている(第2図、第1表)。 ロ 卸売・小売業,飲食店の所定外労働時間判断D.I.は、11年1〜3月期実 績マイナス1ポイントと前期に引き続きマイナスとなった。先行きは、11年 4〜6月期実績見込マイナス9ポイント、11年7〜9月期見込マイナス12 ポイントとなっている(第2図、第1表)。 ハ サービス業の所定外労働時間判断D.I.は、11年1〜3月期実績マイナス 4ポイントと前期に引き続きマイナスとなった。先行きは、11年4〜6月期 実績見込マイナス9ポイント、11年7〜9月期見込マイナス4ポイントとな っている(第2図、第1表)。 (3) 雇 用 1) 常 用 イ 製造業の常用判断D.I.は、11年1〜3月期実績マイナス23ポイントと 前期に引き続きマイナスとなった。先行きは、11年4〜6月期実績見込マイ ナス24ポイント、11年7〜9月期見込マイナス11ポイントとなっている (第3図、第1表)。 ロ 卸売・小売業,飲食店の常用雇用判断D.I.は、11年1〜3月期実績マイ ナス16ポイントと前期に引き続きマイナスとなった。先行きは、11年4〜 6月期実績見込マイナス20ポイント、11年7〜9月期見込マイナス5ポイ ントとなっている(第3図、第1表)。 ハ サービス業の常用雇用判断D.I.は、11年1〜3月期実績マイナス8ポイ ントと前期に引き続きマイナスとなった。先行きは、11年4〜6月期実績見 込マイナス19ポイント、11年7〜9月期見込マイナス5ポイントとなって いる(第3図、第1表)。 2) パートタイム イ 製造業のパートタイム雇用判断D.I.は、11年1〜3月期実績マイナス9 ポイントと引き続きマイナスとなった。先行きは、11年4〜6月期実績見込 マイナス6ポイント、11年7〜9月期見込マイナス6ポイントとなっている (第4図、第1表)。 ロ 卸売・小売業,飲食店のパートタイム雇用判断D.I.は、11年1〜3月期 実績マイナス3ポイントと前期に引き続きマイナスとなった。先行きは、11 年4〜6月期実績見込マイナス6ポイント、11年7〜9月期見込マイナス7 ポイントとなっている(第4図、第1表)。 ハ サービス業のパートタイム雇用判断D.I.は、11年1〜3月期実績マイナス 8ポイントと前期に引き続きマイナスとなった。先行きは、11年4〜6月期 実績見込マイナス3ポイント、11年7〜9月期見込プラス3ポイントとなっ ている(第4図、第1表)。 2 労働者の過不足状況 (1) 過不足 イ 11年5月現在の労働者の過不足状況は、「常用労働者」を「不足」とする 事業所割合は、調査産業計では11%、建設業8%、製造業6%、運輸・通信 業23%、卸売・小売業,飲食店10%、金融・保険業23%、不動産業17 %、サービス業13%となった。一方 、「過剰」とする事業所割合は調査産業 計では31%、建設業35%、製造業39%、運輸・通信業17%、卸売・小 売業,飲食店29%、金融・保険業18%、不動産業14%、サービス業21 %となった。(第5図、第2−1表)。 この結果、常用労働者過不足判断D.I.は、調査産業計ではマイナス20 ポイント、建設業マイナス27ポイント、製造業マイナス33ポイント、運輸・ 通信業プラス6ポイント、卸売・小売業,飲食店マイナス19ポイント、金融・ 保険業プラス5ポイント、不動産業プラス3ポイント、サービス業マイナス8 ポイントとなり、運輸・通信業、金融・保険業及び不動産業を除く産業で雇用 過剰感が不足感を上回りマイナスとなった(第5図、第2−1表)。 ロ パートタイム労働者過不足判断D.I.は、調査産業計ではマイナス2ポイント、 建設業マイナス9ポイント、製造業マイナス6ポイント、運輸・通信業プラス 3ポイント、卸売・小売業,飲食店0ポイント、金融・保険業プラス5ポイント、 不動産業プラス4ポイント、サービス業プラス5ポイントとなった(第2−1表)。 ハ 職種別の労働者過不足判断D.I.は、調査産業計では、「専門・技術」プラス 7ポイント、「販売」プラス1ポイント、「サービス」プラス1ポイントと、こ れらの各職種では不足とする事業所割合が過剰とする事業所割合を上回っている のに対して、「管理」マイナス20ポイント、「事務」マイナス17ポイント、 「運輸・通信」マイナス2ポイント、「技能工」マイナス11ポイント、「単純 工」マイナス19ポイントと、多くの職種で過剰とする事業所割合が不足とする 事業所割合を上回った。5産業計で職種別にみると、「専門・技術」でプラス、 「サービス」で0ポイント、「管理」、「事務」「販売」及び「単純工」などで はマイナスとなった(第7図、第2−2表)。 ニ 製造業について企業規模別にみると、常用労働者過不足判断D.I.は、規模 1、000人以上事業所でマイナス34ポイント、規模300〜999人事業所、 規模100〜299人事業所でマイナス35ポイント、規模30〜99人事業所 でマイナス29ポイントとなった(第6図)。 (2) 過不足の程度 11年5月現在において常用労働者が「不足」と回答した事業所の「不足の程度」 は、調査産業計では 、「やや不足」とする事業所の割合が全事業所の10%、「お おいに不足」が1%となっている。一方、常用労働者が「過剰」と回答した事業所の 「過剰の程度」は 、調査産業計では、「やや過剰」が28%、「おおいに過剰」が 3%となっている。また、「適当」とする事業所の割合は59%となっている (第3表)。 3 雇用調整 何らかの雇用調整を実施した事業所割合の11年1〜3月期実績は、調査産業計で は34%、建設業28%、製造業45%、運輸・通信業28%、卸売・小売業,飲食 店29%、金融・保険業17%、不動産業22%、サービス業22%となった。前期 と比べると調査産業計では2ポイント上昇となり、産業別には、製造業、サービス業 で1ポイントの低下、金融・保険業で1ポイント上昇、建設業で3ポイント上昇、運 輸・通信業及び不動産業で4ポイント上昇、卸売・小売業,飲食店で6ポイント上昇 となった(第8図、第4表)。 製造業について企業規模別にみると、規模1,000人以上事業所で54%、規模 300〜999人事業所で44%、規模100〜299人事業所で39%、規模30 〜99人事業所で35%となった(第9図)。 雇用調整の実施予定事業所割合は、調査産業計では、11年4〜6月期予定は33 %と11年1〜3月期実績と比べ1ポイント低下となり、11年7〜9月期予定は 30%となっている。また、産業別には、11年4〜6月期予定は11年1〜3月期 実績と比べ、卸売・小売業,飲食店で3ポイント低下、運輸・通信業、不動産業で2 ポイント低下、製造業で1ポイント低下、金融・保険業で横ばい、サービス業で1ポ イント上昇、建設業で4ポイント上昇となっている(第4表)。 11年1〜3月期実績における雇用調整の実施方法(複数回答)は、調査産業計で は 、「残業規制」の割合が19%と最も高く、次いで「配置転換」10%、「中途 採用の削減・停止」9%の割合が高くなっている(第10図、第4表)。 4 中途採用 中途採用「あり」とする事業所割合は、11年1〜3月期実績で、調査産業計38 %となった。産業別には、建設業27%、製造業30%、運輸・通信業46%、卸売 ・小売業,飲食店41%、金融・保険業45%、不動産業42%、サービス業53% となった。 今後中途採用を予定する事業所割合は、11年4〜6月期予定では、調査産業計 33%、建設業28%、製造業26%、運輸・通信業39%、卸売・小売業,飲食店 34%、金融・保険業43%、不動産業48%、サービス業48%となっている。11 年7〜9月期予定では、調査産業計18%、建設業11%、製造業12%、運輸・通 信業27%、卸売・小売業,飲食店21%、金融・保険業26%、不動産業28%、 サービス業29%となっている(第5−1表)。 5 平成12年新規学卒者の採用計画等 平成12年新規学卒採用予定者数を11年の採用者数と比べると、調査産業計では 各学歴とも、「減少」とする事業所割合が「増加」とする事業所割合を上回った。産 業別にみても、すべての学歴、産業において「増加」とする事業所割合が「減少」と する事業所割合を下回った(第6表)。 「増加」とする事業所割合を前年結果と比較すると、高校卒の運輸・通信業及び大学 卒(文科系)、専修学校卒の建設業を除くすべての学歴、産業において低下した。また、 「減少」とする事業所割合は高校卒の運輸・通信業、サービス業及び高校卒、高専・短 大卒、大学卒(文科系)の建設業を除く学歴、産業においては上昇した(第6表)。 12年新規学卒者の採用を「増加」とする理由(複数回答)を調査産業計で学歴別に みると、高校卒は「年齢等人員構成の適正化」、高専・短大卒、大学卒(文科系)は 「販売・営業部門の増強」、大学卒(理科系)及び専修学校卒は「技術革新への対応・ 研究開発体制の充実」の割合がそれぞれ最も高くなっている(第7表)。 一方、「減少」とする理由(複数回答)は調査産業計で、学歴別にみると「人件費率 の抑制・定員管理の見直し」の割合が各学歴とも最も高く、次いで「経営状態の悪化・ 事業の縮小」となっている(第8表)。