タイトル:労働経済動向調査(平成10年11月)結果速報 ・常用労働者過剰感強まる ・雇用調整実施事業所割合は引き続き上昇 発 表:平成10年11月30日 担 当:労働大臣官房政策調査部産業労働調査課 電 話 03-3593-1211(内線5667) 03-3502-6729(夜間直通)
T 調査の概要 この調査は、生産、販売活動及びそれに伴う雇用、労働時間などの現状と今後 の短期的見通しなどを把握するため、全国の建設業、製造業、運輸・通信業、卸 売・小売業,飲食店及びサービス業に属する常用労働者30人以上を雇用する民 営事業所5,358事業所を対象として、年4回実施(通信調査方式)している もので、平成10年11月1日現在の調査結果である (回答事業所数3,089、回答率 58%)。 今回は、事業の見直しと雇用面での対応について特別に調査を行った。 (注)1 平成6年2月の調査から、調査対象産業を従来の製造業、卸売・小売業, 飲食店及びサービス業の3産業に建設業及び運輸・通信業を追加し5産業 とした。 2 「生産・売上判断D.I.」、「所定外労働時間判断D.I.」、「雇 用判断D.I.」とは、増加と回答した事業所の割合から減少と回答した 事業所の割合を差し引いた値である(センサス局法X−11による季節調 整値)。また、季節調整値は、毎年5月結果発表時に過去に遡って改訂す る。 3 「労働者過不足判断D.I.」とは、不足と回答した事業所の割合から過剰 と回答した事業所の割合を差し引いた値である。 U 調査結果の概要 【骨 子】 1 生産売上 生産売上判断D.I.(平成10年7〜9月期実績)は、製造業マイナス19 ポイント、卸売・小売業,飲食店マイナス22ポイント、サービス業マイナス9 ポイントとなり、前期に引き続き3産業ともマイナスとなった。また、10年1 0〜12月期実績見込、11年1〜3月期見込は3産業ともマイナスとなってい る。 2 所定外労働時間 所定外労働時間判断D.I.(10年7〜9月期実績)は、製造業マイナス1 6ポイント、卸売・小売業,飲食店マイナス7ポイント、サービス業マイナス4 ポイントとなり、前期に引き続き3産業ともマイナスとなった。また、10年1 0〜12月期実績見込、11年1〜3月期見込は3産業ともマイナスとなってい る。 3 雇 用 常用雇用判断D.I.(10年7〜9月期実績)は、製造業マイナス21ポイ ント、卸売・小売業,飲食店マイナス13ポイント、サービス業マイナス12ポ イントとなり、前期に引き続き3産業ともマイナスとなった。また、10年10 〜12月期実績見込、11年1〜3月期見込は3産業ともマイナスとなっている 。 4 労働者の過不足状況 11月現在の常用労働者過不足判断D.I.は、調査産業計マイナス19ポイ ント、建設業マイナス16ポイント、製造業マイナス29ポイント、運輸・通信 業業マイナス2ポイント、卸売・小売業,飲食店マイナス15ポイント、サービ マイナス6ポイントと、すべての産業で過剰とする事業所割合が不足とする事業 ス所割合を上回りマイナスとなった。前期と比べると、調査産業計では2ポイン ト低下し、引き続き雇用の過剰感が強まっている。 職種別にみると、「専門技術」及び「サービス」でプラス、「販売」で0ポイ ントとなり、「管理」、「事務」及び「単純工」などではマイナスとなっている 。 製造業について企業規模別にみると、引き続きすべての規模で過剰が不足を上 回っている。 5 雇用調整 雇用調整を実施した事業所割合(10年7〜9月期実績)は、調査産業計30 %、建設業25%、製造業38%、運輸・通信業24%、卸売・小売業,飲食店 25%、サービス業21%となった。前期と比べると、多くの産業で雇用調整実 施事業所割合が上昇し、調査産業計で2ポイントの上昇となった。 雇用調整の実施予定事業所割合は、調査産業計では、10年10〜12月期は 31%、11年1〜3月期は30%となっている。 雇用調整の実施方法は、調査産業計では、「残業規制」の割合が最も高く、次 いで「配置転換」の割合が高くなっている。 6 事業の見直しと雇用面での対応 事業の見直しを過去1年間に実施した事業所割合は、調査産業計で32%、今 後1年間に実施する予定の事業所割合は29%となっている。 実施した事業所における事業の見直し方法は、「組織再編成による管理事務部 門の縮小」10%)が最も高く、次いで「不採算事業部門の縮小」(8%)とな っている(第7表)。 事業の見直しに伴う雇用面での対応方法は、「配置転換」(12%)、「新規 学卒採用の抑制」、「中途採用の抑制」(各8%)が高い割合となっている。