タイトル:建設業技能職種の賃金上昇率は 前年をやや下回る1.3% −平成9年屋外労働者職種別賃金調査結果速報(建設業技能職種)− 発 表:平成10年2月 担 当:労働大臣官房政策調査部 統計調査第二課 電 話 03-3593-1211(内線5677) 03-3502-6730(夜間直通)
T 調査の概要 労働省では、建設業及び港湾運送関係事業に雇用される屋外労働者の賃金(1人1 日平均きまって支給する現金給与額)等を職種別に明らかにするため、毎年8月分に ついて屋外労働者職種別賃金調査を実施している。 このうち、建設業における技能職種21職種について調査結果をとりまとめた。調 査対象は、建設業に属する5人以上の常用労働者を雇用する民営の事業所で、調査対 象となった事業所数は約1万6千事業所、集計対象労働者数は約8万3千人である。 なお、21の技能職種とその労働者構成は下表のとおりであるが、このうち職種別 に表記しているのは、比較的労働者の多い主要11職種(〇印を付したもの)である。
技能職種 | 労働者構成(%) | 技能職種 | 労働者構成(%) |
〇電気工 | 20.4 | 板金工 | 8.9 |
〇配管工 | 14.1 | 屋根ふき工 | |
〇機械運転士 | 12.2 | 鉄骨工 | |
〇大工 | 12.0 | タイル張工・れんが積工 | |
〇型枠工 | 7.0 | はつり工 | |
〇とび工 | 5.7 | ボーリング工 | |
〇貨物自動車運転者 | 5.2 | 掘削・発破工 | |
〇左官 | 4.5 | 石工 | |
〇塗装工 | 3.9 | 建具工 | |
〇鉄筋工 | 3.5 | 潜函土工 | |
〇溶接工 | 2.6 | 技能職種計 | 100.0 |
U 調査結果の概要 (骨 子) 1 技能職種計の賃金 −対前年上昇率は1.3%で、前年をやや下回る− 1人1日平均きまって支給する現金給与額(以下「賃金」という。)は、技能職 種(21職種)計で15,180円と初めて1万5千円台になった。対前年上昇率 は1.3%(前年2.0%)で、前年をやや下回った。 2 職種別賃金 −電気工が、初めて1万6千円台− 職種別に賃金をみると、電気工が初めて1万6千円台となったほか、溶接工、大 工、左官、機械運転工が1万5千円台となっている。 また、電気工を100とした賃金格差をみると、格差の大きいのは貨物自動車運転 者、鉄筋工でともに84となっている。 3 年齢階級別賃金 −年齢間格差は総じて小さい− 技能職種計で最も賃金の高い年齢層は45〜49歳の16,730円であり、2 0〜24歳(11,630円)の約1.4倍となっている。年齢間格差を5年前と 比較すると、拡大している。 職種別には、貨物自動車運転者、とび工、型枠工、鉄筋工、左官で約1.3倍と なるなど、多くの職種で年齢間格差は小さいが、賃金の最も高い電気工では約1. 7倍と年齢間格差は比較的大きい。 4 地域別賃金 −地域間格差は縮小傾向− 地域別には、技能職種計では南関東が17,630円で最も高い。南関東を10 0とした地域間格差は賃金の最も低い南九州で72、山陰で75等となっているが、 5年前と比較すると各地域で格差は縮小している。 5 平均年齢及び年齢階級別労働者構成 −50歳以上が約3分の1− 技能職種計の平均年齢は42.3歳となっている。 年齢階級別労働者構成は、50〜59歳が22.0%、60歳以上が10.8% と50歳以上の中高年齢層が約3分の1を占めている。 V 調査結果
1.技能職種別賃金
2.年齢階級別賃金
3.地域別賃金
4.実労働日数及び実労働時間数
5.平均年齢及び年齢階級別労働者構成