労働省発表
平成9年12月


労働大臣官房政策調査部
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9年前半は労働移動が増加

入職率・離職率ともに
 ○性別では女性
 ○就業形態別ではパートタイム労働者
 ○産業別では卸売・小売業,飲食店で伸びが大きい

−平成9年上期雇用動向調査結果速報−





[I]調査の概要


  1. この調査は、労働市場における常用労働者の移動状況を把握することを目的として、毎年上期(1月〜6月)及び下期(7月〜12月)に分けて実施している。今回、平成9年上期の概要を取りまとめた。

  2. 調査対象は、日本標準産業分類による主要9大産業[ 鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、運輸・通信業、卸売・小売業, 飲食店、金融・保険業、不動産業、サ−ビス業(家事サ−ビス業、教育、外国公務を除く)]に属する常用労働者5人以上を雇用する事業所から抽出した約1万4千事業所(有効回答率87.5%)及び同事業所における平成9年上期の入職者 約6万5千人、離職者約6万人である。

  3. 労働移動は上期(1月〜6月)の状況であるが、未充足求人は6月末現在の状況である。
(注)平成3年から調査産業計は建設業を含めて集計しているが、それ以前の常用労働者の移動状況の調査産業計は建設業を除いて集計している。したがって、平成2年以前と時系列比較を行う場合には、注意する必要がある。
 なお、主な用語の説明は15、16頁を参照のこと。



[II]調査結果の概要

(骨子)

  1. 入職・離職の状況
     −入職率・離職率の上昇により、延べ労働移動率は大幅上昇−

    (1)平成9年上期の延べ労働移動者は685万人、延べ労働移動率は17.5%で、前年同期と比べると66万人の増加、1.5ポイントの上昇となった。

    (2)入職者は356万人、離職者は329万人で、前年同期と比べると入職者は25万人増、離職者は41万人増。入職率は9.1%、離職率は8.4%で、前年同期と比べると入職率は0.5ポイント、離職率は0.9ポイントそれぞれ上昇した。

    (3)就業形態別に入職・離職の比率をみると、一般労働者は入職率8.1%(前年同期7.9%)、離職率7.4%(同6.6%)で、前年同期と比べると入職率は0.2ポイント、離職率は0.8ポイントそれぞれ上昇となった。パ−トタイム労働者は入職率15.5%(同12.6%)、離職率14.8%(同13.1%)で、前年同期と比べると入職率は2.9ポイント、離職率は1.7ポイントそれぞれ上昇した。


  2. 入職者の状況
     −入職率は女で上昇、産業別では卸売・小売業,飲食店を中心に上昇−

    (1)入職率を男女別にみると、男が7.4%、女が11.9%で、前年同期と比べると男は同水準、女は1.4ポイント上昇した。

    (2)入職率を主な産業別にみると、サ−ビス業11.7%、卸売・小売業,飲食店9.9%、製造業6.5%で、前年同期と比べると卸売・小売業,飲食店1.1ポイント、製造業0.5ポイント、サ−ビス業0.2ポイントそれぞれ上昇した。

    (3)入職者のうち、転職入職者は170万人、未就業入職者は186万人となった。これを比率でみると、転職入職率は4.4%、未就業入職率は4.8%で、前年同期と比べると、転職入職率は同水準、未就業入職率は0.6ポイント上昇となった。

    (4)転職入職率を男女別にみると、男は4.1%、女は4.8%で、前年同期と比べると、女は0.3ポイント上昇し、男は0.2ポイント低下した。


  3. 離職者の状況
     −離職率は男女とも上昇、産業別には卸売・小売業、飲食店、サ−ビス業で上昇−

    (1)離職率を男女別にみると、男は7.2%、女は10.5%で、前年同期と比べると、男は0.9ポイント、女は1.1ポイントそれぞれ上昇した。
     これを性及び年齢階級別に前年同期と比べると、男の55〜59歳、女の60〜64歳で低下しているが、他のすべての年齢階級で上昇している。

    (2)離職率を主な産業別にみると、卸売・小売業,飲食店10.1%、サ−ビス業9.9%製造業6.2%で、前年同期と比べると、卸売・小売業,飲食店1.9ポイント、サ−ビス業1.1ポイント、製造業0.2ポイントそれぞれ上昇している。

    (3)離職者の離職理由別構成比をみると、「個人的理由」が68.9%と最も高く、次いで「契約期間の満了」10.6%、「経営上の都合」7.3%、「定年」6.0%、「本人の責」5.4%となっている。これを前年同期と比べると、「本人の責」1.0ポイント、「個人的理由」0.3ポイント、「契約期間の満了」0.2ポイントそれぞれ上昇し、「定年」1.1ポイント、「経営上の都合」0.2ポイントそれぞれ低下した。


  4. パ−トタイム労働者の状況
     −入職者に占める女のパ−トタイム労働者の割合が大幅に上昇−

    (1)入職者に占めるパ−トタイム労働者の割合は23.7%、離職者に占めるパ−トタイム労働者の割合は24.5%で、前年同期と比べると、入職者で3.8ポイント、離職者で0.8ポイントそれぞれ上昇した。
     これを男女別にみると、男が入職者で9.3%、離職者で11.3%、女が入職者で38.4%、離職者で39.2%で、前年同期と比べると、女は入職者で6.5ポイント、離職者で2.8ポイントそれぞれ大幅に上昇し、男は入職者で0.3ポイント、離職者で0.9ポイントそれぞれ減少した。

    (2)パ−トタイム労働者の入職率・離職率を主な産業別にみると、サ−ビス業(それぞれ17.6%、16.5%)、卸売・小売業,飲食店(同16.8%、16.4%)、製造業(同11.4%、10.2%)の順となっている。前年同期と比べると卸売・小売業,飲食店(同4.5ポイント、3.4ポイント)の上昇が大きい。


  5. 未充足求人の状況
     −欠員率はわずかに上昇−

     平成9年6月末現在の未充足求人数は70万人、欠員率(在籍常用労働者に対する未充足求人の割合)は1.8%で、前年(1.7%)と比べると、0.1ポイント上昇したものの依然低い水準となっている。
     うちパ−トタイム労働者の欠員率は2.3%で前年(1.4%)と比べると、0.9ポイント上昇した。


  
[III]調査結果


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