III　調査結果の概要

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III　調査結果

１　学歴別にみた初任給

平成９年の初任給を高卒以上の学歴についてみると、

となった。

　対前年上昇率は、男女各学歴とも１％前後となっているが、これを前年の伸びと比較すると、女性の高卒を除き前年をやや上回っている（第１表、第２表、第１図）。

　大卒を１００として初任給の学歴間格差をみると、男性は高専・短大卒が８７、高卒が８０、女性は高専・短大卒が８６、高卒が７９となっている。

　学歴間格差の推移をみると、平成６年以降大卒と高卒との格差は男女ともほぼ横ばい傾向となっている（第２図）。

２　企業規模別にみた初任給

（１）: 　企業規模別に初任給の動きをみると、前年に比べ大企業（常用労働者１０００人以上）で男性の高専・短大卒（０．７％減少）、高卒（０. １％減少）及び女性の高卒（０.９％減少）が減少し、小企業（同１０～９９人）で男性の高専・短大卒、女性の高卒がそれぞれ２. ３％増加した他は、各学歴、規模とも２％未満の増加となっている（第３表）。
（２）: 　大企業を１００として初任給の企業規模間格差をみると、男性は、中企業（常用労働者１００～９９９人）では９９～１００と格差はほとんどみられず、小企業では高専・短大卒（１０３）などで大企業より初任給が高くなっている。; 　女性については、これまでやや格差がみられた小企業の高卒で前年の９５から９８となったことにより、中企業で９９～１０２、小企業で９８～９９と各学歴、規模とも格差が小さくなっている（第４表）。

３　産業別にみた初任給: 　主要産業別に初任給をみると、男性は大卒、高卒で建設業が高く、大卒で１９７，２００円、高卒で１６２，９００円となっており、高専・短大卒でも建設業は１８４，３００円と高くなっている。; 　女性は、大卒では卸売・小売業, 飲食店が１８８，２００円と高く、次いでサービス業、製造業が、それぞれ１８８，０００円、１８７，９００円となっている。高専・短大卒、高卒では卸売・小売業, 飲食店が高く、それぞれ１６３，３００円、１５２，５００円となっている。; 　製造業を１００とした初任給の産業間格差を産業ごとにみると、男性は、建設業では高専・短大卒が１１０、高卒が１０５と高い水準となっている。卸売・小売業，飲食店では高専・短大卒が９８とやや低く、サービス業では、高卒が９６と低くなっている。; 　女性は、建設業では大卒が９６と低くなっているが、高専・短大卒、高卒は１０１～１００とほぼ同水準となっている。卸売・小売業，飲食店では大卒が１００と同水準となっているが、高専・短大卒が１０２、高卒が１０３とやや高くなっている。サービス業では、高卒が９６とやや低くなっている（第５表）。

４　地域別にみた初任給: 　地域別に初任給をみると、男女とも総じて南関東、東海、京阪神の３地域が高く、男性は、大卒で南関東、京阪神が１９万円台後半、高専・短大卒で３地域とも１７万円台前半、高卒で南関東、京阪神が１６万円台前半となっている。女性は、大卒で南関東が１９万円台前半、高専・短大卒では３地域とも１６万円台、高卒では３地域とも１５万円台となっている。; 　一方、低い地域は、男性では大卒で山陰、南九州が１７万円台後半、高専・短大卒で山陰が１５万円台前半、高卒で南九州が１４万円台前半、女性では大卒で山陰が１７万円台前半、高専・短大卒で山陰が１４万円台、高卒で東北、山陰、四国、北九州、南九州が１３万円台後半となっており、総じて山陰、南九州などの地域が低くなっている（第６表）。

（１）: 　初任給の分布をみると、男性は、大卒が１９万円台に３６．０％、２０万円台に２２．２％、１８万円台に１４．２％となっており、１９～２０万円台が約６割を占めている。高卒では１５万円台に３６．７％、１６万円台に２０．５％となっている。; 　女性は、大卒が１９万円台に２４．８％、１７万円台に１９．９％、１８万円台に１９．２％と１７～１９万円台に散らばっている。高専・短大卒は１６万円台に２８．１％、１５万円台に２４．０％、高卒は１５万円台に２９．５％、１４万円台に２８．６％となっている。
（２）: 初任給の散らばりの度合いを示す分散係数をみると、十分位分散係数は、男性は、大卒が０．０９、高専・短大卒、高卒がそれぞれ０．１１となっており、大卒の散らばりは高専・短大卒、高卒より小さい。; 　一方、女性は大卒が０．１２、高専・短大卒が０．１３、高卒が０．１２となり、学歴による散らばりの差は少ない（第７表）。

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