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(別添1)
あっせんの例
○上司からのいじめ・嫌がらせをめぐるあっせんの事例
(事案の概要)
申請人は、営業課長と営業に出かけることが多かったが、課長は何かにつけ、申
請人につらく当り、仕事上のトラブルを全て申請人の責任として会社に報告するな
どの嫌がらせが続いていた。ある日、営業課長と得意先周りをしていたところ、対
応が悪いと理由も説明せず頭部を殴打された。申請人は会社にそのことを報告した
が、上司に対し注意を行う等もせず、放置された。
この一週間後、申請人は支社長に呼び出され、営業課長等に取り囲まれ、「客か
らクレームがきているので、始末書を書け。書くまで帰さない。」と威圧的に言わ
れ、クレーム内容の説明もないまま、「客からクレームを受けましたが、以後この
ようなことのないよう職務に専念します。再度クレームを受けるようなことをした
ときには、私の処分を会社に一任します。」という旨の始末書を書かされた。
会社は、営業課長の報告をうのみにし、申請人を退職させようとしているが、本
人は退職の意思はなく、(1)暴行について上司本人が謝罪し、会社は上司の管理責
任を認めること、(2)始末書を書かせた理由を明確にすることを求めてあっせん申
請を行った。
あっせんの結果、(1)会社が、申請人の上司が申請人に行った行為について監督
責任を認め謝罪文を提出すること、(2)申請人が書いた始末書を破棄すること、で
紛争当事者双方の合意が成立した。
(あっせんのポイント)
会社に対し、申請人の受けている嫌がらせの実態を十分に把握させることで解決
に導いたもの。
○復職と慰謝料を求めたセクシュアルハラスメントに係るあっせんの事例
(事案の概要)
申請人は、支店長から受けたセクシュアルハラスメントについて、会社の責任を
認めるよう求めたが拒否されたため、紛争となり、申請人が会社に対し慰謝料等を
求めて、あっせん申請を行ったもの。
申請人(セクシュアルハラスメントを受けたことによる精神的苦痛から体調不良
を訴え休職中)が復職を希望していることから、(1)申請人の休職期間、(2)休業補
償の額、(3)慰謝料の額等、会社が講ずべき具体的措置について、当事者双方の主
張の調整を行い、当事者双方に対し、(1)申請人が1か月後に復職すること、(2)会
社が申請人に対し、慰謝料として150万支払うことというあっせん案を提示し、こ
れを双方が受諾したことで合意が成立した。
(あっせんのポイント)
紛争当事者双方とも、セクハラの事実と慰謝料の支払については、争いがないも
のの、慰謝料の額に大きく隔たりがあった事案。
「申請人が復職をするとともに、会社に対し、休業補償及び治療費を含む慰謝料
を払う」とするあっせん案を双方とも受諾し、合意が成立したもの。
(別添2)
助言・指導の例
○一方的な賃金引下げ及び解雇の是非をめぐる助言・指導の事例
(事案の概要)
申出人は、日額1万5千円(月換算額30万円)の条件でトラック運転手として勤務
していたが、社長から突然「賃金を月額25万円に変更する。同意できないのであれ
ば、辞めてもらわなければならない」と、一方的な賃金の引下げを申し渡された。
申出人がそのような条件はのめないと同意しなかったところ、会社から解雇する
旨の通告を受けたため、解雇を撤回し、賃金の引下げも行わないよう、労働局長の
助言・指導を求めたもの。
○労働局長の指導により、会社は解雇を撤回し、賃金の引下げも行わなかった。
(助言・指導の内容)
賃金引下げに納得しないことは、社会通念上相当な解雇理由とならないこと及び
賃金引下げを行うことに合理性はなく、また、賃金引下げについて、従業員の同意
も得ず、就業規則の変更もないことから、判例に照らし、解雇及び賃金引下げは無
効となるおそれが高いので、解雇及び賃金引下げの決定を取り消すこと。
○経歴詐称を理由とする懲戒解雇の是非をめぐる助言・指導事例
(事案の概要)
申出人は、コンピューターソフト開発を行う会社の営業職として3か月勤務して
いたが、内臓疾患で障害者認定を受けていることと履歴書の職歴に記載漏れが発覚
し、経歴詐称として懲戒解雇された。 しかし、障害を悪化させるような業務内容
ではなく、また、障害が理由で仕事に支障が出たことはないことから、懲戒解雇を
撤回するよう労働局長の助言指導を求めたもの。
○労働局長の指導により、会社は、申出人と話しあった結果、申出人は既に他の
就職先を見つけていたため、職場復帰は行わず、補償金を支払うことで和解した。
(助言・指導の内容)
申出人は、他の営業職の労働者と同条件で仕事をこなしており、身体上の問題が
仕事に支障をもたらした事実が認められないこと、また、会社の労働条件の体系を
乱し、健全な企業運営を阻害される等の事実も認められないことから、判例に照ら
し、解雇は無効となるおそれが高いので、申請人に対して行った解雇処分を取り消
すこと。
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