第3 平成14年度地方労働行政の重点施策 2 職業安定行政の重点対策 (8) 安心して働ける雇用環境の整備 イ 多様な状況に応じた各種雇用対策の推進 (イ) 沖縄県における雇用対策の推進 沖縄県の雇用失業情勢は依然として厳しい状況にあり、沖縄県の雇用 失業情勢の改善を図る観点から、平成13年度末の「沖縄振興開発特別 措置法」失効後の新法(沖縄振興特別措置法(仮称))に基づく政府全 体の沖縄振興策等と連携しつつ、沖縄県特有の対策を実施する。 (ロ) ホームレスの雇用対策の推進 関係省庁及び関係地方公共団体で構成する「ホームレス問題連絡会 議」が取りまとめた「ホームレス問題に対応する当面の対応策」に基づ き、関係自治体が行う自立支援事業との連携の下で、職業相談員の活用 による職業相談の実施等ホームレスの就労による自立の促進を図る。 (ハ) 母子家庭の母等の雇用対策 幼児・児童等をかかえた母子家庭の母等について、公共職業安定所に 職業相談員(寡婦担当)を配置し、家庭環境等に配慮した職業相談・紹 介の実施、特定求職者雇用開発助成金や訓練手当制度の活用等により、 その早期就職の促進を図る。 (ニ) 炭鉱労働者対策の推進 池島炭鉱、太平洋炭鉱の閉山に伴い、引き続き機動的な職業訓練の実 施、きめ細かな職業指導及び職業転換給付金の活用等を行い、炭鉱離職 者の早期の再就職の促進を図る。 (ホ) 日雇労働者対策の推進 求人の開拓を積極的に行うとともに、公共事業の施行前把握の徹底に より、日雇労働者の就業機会の確保を図る。また、職業安定機関の利用 促進によって就労経路の正常化に努める。 さらに、東京、横浜、大阪の日雇労働者が集中する特別地区の日雇労 働者を対象として技能講習を行い、日雇労働者の就業機会の増加を図る。 (ヘ) 失業対策諸事業の適正な運営 特定地域開発就労事業については、平成10年12月の「特定地域開 発就労事業のあり方に関する調査研究報告」に基づき、事業規模の縮小 を図るなど適正な運営を図る。 (ト) 農山村地域の特性に応じた雇用対策の推進 近年の農業生産法人の増加等に対応するため、東京、大阪、名古屋の 拠点公共職業安定所に開設した「農業等就業相談コーナー」において、 農林漁業求職者に対するきめ細かな職業相談等を実施する。 (チ) 駐留軍関係離職者対策の推進 駐留軍関係離職者については、駐留軍関係離職者等臨時措置法等に基 づき、公共職業安定所において職業相談・紹介、職業訓練の推進と職業 転換給付金の支給等により、離職を余儀なくされた者の生活の安定と早 期再就職の促進を図る。 (リ) 漁業離職者対策の推進 国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法等に基づき、 国際環境の変化に伴い発生する漁業離職者について、漁業離職者求職手 帳の発給、必要な就職指導の実施、職業転換給付金の支給等により、そ の求職者の生活の安定、再就職の促進を図る。 (ヌ) アイヌ地区住民の雇用対策 アイヌ地区住民については、各種就職援護措置の活用を図るとともに、 職業相談員経験交流会議を開催し、この成果を職業相談に役立て、きめ 細やかな職業指導、職業相談を実施するとともに、事業主説明会を開催 し、地域住民の雇用の安定を図る。 (ル) 中国残留邦人等永住帰国者の雇用対策の推進 中国残留邦人等永住帰国者について、公共職業安定所において、職業 転換給付制度を活用しつつ、職業相談・紹介を実施し、その雇用の促進 を図る。 また、職業相談等の一部の業務については、(財)中国残留孤児援護 基金に委託し、中国帰国者定着促進センターにおいて実施する。 (ヲ) インドシナ難民の雇用対策の推進 国際救援センター入所のインドシナ難民については、職業相談・紹介、 職場適応訓練その他就職を促進するための各種援護措置の実施に係る業 務を(財)アジア福祉教育財団に委託して実施し、その雇用の促進を図 る。 また、公共職業安定所においては、難民に係る求人の取り次ぎ、求人 開拓、職場定着指導等の業務について、同財団と綿密な連携をとりなが ら協力する。 (ワ) 在日韓国・朝鮮人の就職の機会均等の確保対策の推進 在日韓国・朝鮮人については、就職の機会均等が確保されるよう、事 業主等啓発説明会、ポスター等の広報活動、不適正事象への指導等によ り、事業主等に対し積極的な指導・啓発を行う。 (カ) 本州四国連絡橋建設に伴う雇用対策の推進 本州四国連絡橋の供用に伴って、事業規模が縮小されること等により 離職を余儀なくされる労働者に対して、本州四国連絡橋の建設に伴う一 般旅客定期航路事業等に関する特別措置法等に基づき、公共職業安定所 における求職手帳の発給、職業相談・就職指導の実施、職業訓練の推進 と職業転換給付金の支給等により、その早期再就職の促進を図る。 (ヨ) 公正な採用選考の推進 公正な採用選考システムの確立に係る指導、啓発については、「人権 教育のための国連10年」に関する国内行動計画においても指摘されて おり、就職の機会均等を確保し同和問題などの人権問題に対する正しい 理解と認識に基づき公正な採用選考が実施されるため、公正採用選考人 権啓発推進員未設置事業所に対する設置勧奨及び同推進員制度が効果的 に機能するような制度・運用面での充実や、企業トップクラスに対する 研修会の充実に努めると共に、小規模事業所に対する啓発、指導を実施 する。 また、全国高等学校統一応募用紙等の適正な応募書類の周知徹底と公 正な採用選考についての各種啓発資料の作成・配布等をすることにより、 雇用主に対する啓発・指導を実施する。 ロ 多様な雇用管理改善対策の推進 (イ) 建設労働対策の推進 建設労働者の雇用の改善等に関する法律及び平成13年度から平成 17年度までを対象とする第6次建設雇用改善計画に基づき、雇用の近 代化のさらなる促進等建設労働者の雇用の改善等のための施策を実施す る。 (ロ) 港湾労働対策の推進 港湾労働法及び平成12年度から平成15年度までを対象とする港湾 雇用安定等計画に基づき、港湾労働者派遣制度の適正な運営の確保等港 湾労働者の雇用の安定及び福祉の増進のための施策を実施する。 (ハ) 季節労働者対策の推進 季節労働者の雇用の安定を図るため、通年雇用安定給付金制度の活用 により通年雇用の促進に努める。 (ニ) 林業労働者対策の推進 我が国林業を取り巻く環境の変化に対応するため、林業労働力の確保 の促進に関する法律に基づき、林野庁等と連携して、雇用管理の改善を 実施する。 また、林業振動障害軽快者の再就職促進対策を実施する。 (ホ) 出稼労働者対策の推進 やむを得ず出稼ぎに出る人々に対して、主な送出地及び受入地に相談 員を配置し就職相談及び指導、安全就労促進集会等を実施するとともに、 主な送出地を管轄する労働局が道県と連携し出稼労働者援護事業を実施 する。