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第3 平成14年度地方労働行政の重点施策



 1 労働基準行政の重点対策





  (3) 労働者の安全と健康確保対策の推進



   イ 事業場における安全衛生水準の一層の向上を図るための施策の展開



    (イ) 労働安全衛生マネジメントシステムの普及促進等

       国際的な動向を踏まえ、「労働安全衛生マネジメントシステム普及促

      進事業」を実施する労働災害防止団体等とも連携し、幅広く労働安全衛

      生マネジメントシステムの普及を図る。特に、建設業に対しては、店社

      と現場とが一体となった管理が必要な建設業の特性を踏まえた労働安全

      衛生マネジメントシステムの普及を図る。

       さらに、事業者が行う安全衛生教育の充実等に資するため、災害事例、

      化学物質情報等を提供する安全衛生情報センターの利用促進を図る。





    (ロ) 中小企業における自主的安全衛生管理活動の推進

       安全衛生管理活動を積極的に行おうとする中小企業を対象として安全

      衛生相談等を行う「中小企業自主的安全衛生活動支援事業」を推進する。

       また、小規模事業者団体等を対象として、基本的な安全衛生対策の実

      施を支援する「小規模事業場等団体安全衛生活動援助事業」や、安全衛

      生に係る機器整備に要する経費の補助を行う「職場改善用機器等整備事

      業」の推進により、小規模事業者団体等の安全衛生水準の向上を図る。





   ロ 労働災害を大幅に減少させるための施策の展開



    (イ) 建設業における労働災害防止対策の推進

       「建設業における総合的労働災害防止対策の推進について」に基づき、

      引き続き的確に対策を実施する。

       特に、中小総合工事業者に対しては「中小総合工事業者指導力向上事

      業」の推進により安全管理能力の向上を図り、また、専門工事業者に対

      しては「専門工事業者安全管理活動等促進事業」の推進により建設工事

      現場における安全水準の向上を図る。

       木造家屋等低層住宅建築工事については、「足場先行工法に関するガ

      イドライン」を周知徹底し、「木造家屋等低層住宅建築工事安全対策推

      進モデル事業」の推進により足場先行工法の普及を図り、墜落災害の防

      止対策の徹底を図る。

       また、土止め先行工法の普及等により、上下水道等工事における小規

      模の掘削作業に係る土砂崩壊等の災害防止対策の徹底を図る。





    (ロ) 機械設備の安全化の促進

       「機械の包括的な安全基準に関する指針」の周知徹底を図るとともに、

      機械の製造者等に対してはリスクアセスメント手法の普及を図り、機械

      の使用者に対しては機械を使用する上で留意すべき事項に関する情報を

      活用することによる安全方策の実施を促進する。

       また、木材加工用機械、プレス機械による労働災害を防止するため、

       各総合対策に基づき当該機械の一層の安全化、作業の安全化等を推進

       する。





    (ハ) 交通労働災害防止対策の推進

       「交通労働災害防止のためのガイドライン」の周知徹底を図るととも

      に、交通危険マップの開発、モデル事業場の育成等を推進する。また、

      製造業等の事業場を対象とした交通労働災害防止担当管理者教育を推進

      する。





    (ニ) 爆発・火災災害防止対策の推進

       化学プラントにおける爆発・火災災害の防止のため「化学プラントに

      かかるセーフティ・アセスメントに関する指針」の周知徹底を図る。

       また、ヒドロキシルアミン及びその塩について、改正労働安全衛生規

      則等に基づき、爆発災害防止対策の徹底を図る。





    (ホ) 林業における労働災害防止対策の推進

       近年のかかり木処理作業における死亡災害の増加傾向等を踏まえ、

      「かかり木処理の作業における労働災害防止のためのガイドライン(仮

      称)」の周知徹底を図るとともに、巡回指導や研修会の開催等を推進す

      る。





    (ヘ) 第三次産業における労働災害防止対策の推進

       第三次産業における業種別の労働災害防止のためのガイドラインの周

      知徹底を図るとともに、新たに産業廃棄物処理業を対象とした「成長産

      業における安全衛生活動基盤整備事業」を推進する。





   ハ 労働者の健康を確保するための施策の展開



    (イ) 事業場における産業保健活動の充実

       健康診断の実施及びその結果に基づく事後措置の徹底を図る等事業場

      における産業保健活動の推進を図る。

       特に、小規模事業場における健康確保対策の充実を図るため、小規模

      事業場集団の産業保健活動の効率的な定着を促進するためのモデル事業

      を推進するともに、労働福祉事業団において、産業保健活動の実施方法

      を具体的に示したマニュアルを作成する。さらに、地域産業保健センタ

      ー事業及び産業医共同選任事業の利用促進を図る。

       また、産業医等の産業保健スタッフの質の向上を図るため、マルチメ

      ディアを活用した実務的研修の試行を推進するとともに、産業保健スタ

      ッフに対する職域におけるC型肝炎に関する正しい知識の普及を図る。

       さらに、「自発的健康診断受診支援事業」の周知に努め、深夜業に従

      事する労働者の健康管理の充実を図る。





    (ロ) 職場におけるメンタルヘルス対策の推進

       「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」の周知徹底

      を図るとともに、メンタルヘルス推進連絡会議の開催等により、職域・

      地域の連携を図る。

       また、産業保健推進センター、地域産業保健センター及び労災病院に

      おいて、メンタルヘルスに関する相談を実施する。

       さらに、労働者の自殺予防に必要な知識の普及・啓発を図る。





    (ハ) 心身両面にわたる健康保持増進対策の推進

       心身両面にわたる健康保持増進対策(THP)の一層の推進を図るた

      め、「中小規模事業場健康づくり事業」を推進し、中小規模事業場に対

      するTHPの効果的な普及を図る。





    (ニ) 職業性疾病予防対策等の推進

       近年の職場におけるVDT機器の急速な普及、表示装置及び入力装置

      の多様化等を踏まえ、改正された「VDT作業のための労働衛生上の指

      針」の周知徹底を図る。

       粉じん障害防止対策については、第5次粉じん障害防止総合対策の一

      層の推進及び「粉じん障害防止モデル事業」の推進を図る。また、ずい

      道建設工事における粉じん対策を推進するため、「ずい道等建設工事に

      おける粉じん対策に関するガイドライン」の周知徹底を図る。

       電離放射線障害防止対策については、原子力施設における下請事業場

      を含めた総合的な安全衛生管理対策を推進するとともに、原子力施設等

      に対する指導を適切に実施する。また、非破壊検査事業場、医療現場等

      における被ばく事故防止対策の徹底を図る。





    (ホ) ダイオキシン類等化学物質に係る健康障害予防対策の推進

       廃棄物焼却施設等におけるダイオキシン類対策及びエチレンオキシド

      対策について、改正労働安全衛生規則等に基づきばく露防止措置の徹底

      を図る。また、ダイオキシン類について廃棄物焼却施設における労働者

      の健康状況等の調査を引き続き行う。

       シックハウス対策に関しては、職域における屋内空気中のホルムアル

      デヒド濃度低減のための対策を推進する。

       また、アントラセン、ジクロロメタン、エピクロロヒドリン等に係る

      労働安全衛生法第28条第3項の規定に基づく化学物質による労働者の

      健康障害を防止するための指針の周知徹底を図る。

       さらに、PCB(塩素化ビフェニル)の回収、無害化処理等に従事す

      る労働者のばく露リスクについて評価を行うための実態調査を実施し、

      労働者のばく露防止対策を推進する。





    (ヘ) 地域保健機関との連携

       メンタルヘルス対策、食中毒対策等の地域保健との関連の深い対策に

      ついては、必要な情報交換を行うなど、都道府県等の衛生主管部局等と

      の連携を密接に図り、労働者の健康確保対策を効果的に推進する。





   ニ 職場環境の快適化の推進



      快適職場推進計画の認定を促進するとともに、喫煙対策に係る教育の実

     施、普及啓発活動の充実等により、職場環境の快適化の一層の推進を図る。

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