第3 平成14年度地方労働行政の重点施策 1 労働基準行政の重点対策 (2) 労働時間対策の推進 イ 労働時間に関する法定基準等の遵守の徹底 (イ) 法定労働時間の遵守の徹底 週40時間労働制の遵守の徹底を図るとともに、平成13年度より週 44時間労働制が適用されている特例措置対象事業場について、集団指 導等を実施し、その遵守の徹底を図る。 なお、教育職員については、平成14年度より週40時間労働制が適 用となることから、未実施の事業場に対しては制度が遵守されるよう適 切な指導を行う。 (ロ) 労働基準法に基づく時間外労働の限度基準等の遵守の徹底 長時間の時間外労働の実効ある抑制を図るため、労働基準法第36条 第2項に基づく時間外労働の限度に関する基準等が労使当事者に遵守さ れるよう引き続き指導を行う。 なお、労働基準法第133条に規定する特定労働者に係る労働時間に ついての延長の限界についての特例措置が平成14年3月31日をもっ て終了したことに留意し適切な対応に努める。 (ハ) 労働時間管理の適正化 過重な長時間労働の防止及び労働時間の不適切な把握の防止を図るた め、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基 準」の周知及び指導を引き続き行うなどにより労働時間管理の適正化、 サービス残業の排除を図る。 ロ 労使の自主的取組の促進、気運醸成等による労働時間短縮の促進等 (イ) 労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法に基づく施策の推進 政府目標とされている年間総実労働時間1800時間の達成・定着を 図るため、労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法に基づき、所定外 労働の削減及び年次有給休暇の取得促進に重点を置き、引き続き労働時 間の短縮に向けた自主的な努力を促進するための施策を実施する。 (1) 自律的、効率的に働くための労働時間制度の改善支援 事業場の労働実態に応じたフレックスタイム制や裁量労働制の導入 等労働時間制度の改善に取り組む事業主を支援するため、労働時間短 縮支援センターが実施する労働時間制度改善支援事業の活用促進を図 る。 (2) 長期休暇(L休暇)制度の導入による年次有給休暇の取得促進 全国の主要都市において、長期休暇制度の普及と定着に関するシン ポジウムを開催するとともに、労働時間短縮支援センターが支給業務 を行う「中小企業長期休暇制度モデル企業助成金」や「長期休暇制度 基盤整備助成金」等により、長期休暇(L休暇)制度導入のための労 使の自主的取組に対する援助等を行う。 (3) 中小企業時短促進援助事業の活用等による指導・援助 労働時間短縮支援センターが実施する中小企業時短促進援助事業等 を活用し、完全週休二日制の普及促進、年次有給休暇の取得促進等に 向けた中小企業の自主的な取組の促進を図るため、指導・援助を効果 的に実施する。 (ロ) 所定外労働の削減のための啓発・勧奨 平成13年10月に改定された「所定外労働削減要綱」について、パ ンフレット等を活用して、休日労働を含めた所定外労働の削減に向けた 労使の取組を促進する。 ハ 裁量労働制の普及促進及び適正な実施の確保 平成14年2月より、専門業務型裁量労働制の対象業務が追加されたこと から、制度の改正内容及び趣旨の周知に努めるとともに、制度が適正に実施 されるよう、必要な指導を行う。 労働者が創造的な能力を発揮できる環境づくりを促進するため、企画業務 型裁量労働制については、一層の普及促進を図るとともに、対象となる事業 場や労働者の範囲等を含め、制度が適正に実施されるよう必要な指導を行う。 また、制度全体の見直しに向けて実態調査を行い、引き続き検討を行う。 この他、事業者は裁量労働制対象労働者等についても過重労働による健康 障害が生じないよう、対象労働者の労働時間の状況に応じた健康確保のため の責務があることなどについて、十分周知を図る。