第2 地方労働行政の課題 3 雇用均等行政の課題 働く女性が性別により差別されることなく、その能力を十分に発揮できる雇 用環境を整備するとともに、男女がともに育児や介護について家族としての役 割を果たしながら充実した職業生活を営むことができる環境をつくることは、 ますます重要なものとなっている。特に、少子化が進展する中で、働きながら 子どもを産み育てやすい雇用環境を整備し、仕事と子育ての両立の負担を軽減 することは、経済社会の活力を維持していく上でも重要かつ喫緊の課題となっ ている。 そのため、雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保については、 平成12年7月に策定された男女雇用機会均等対策基本方針に沿って「雇用の 分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」(以下「男女 雇用機会均等法」という。)の履行確保を図るとともに、女性の能力発揮のた めの企業の積極的取組(ポジティブ・アクション)を促進すること等により、 実質的な男女の均等確保の実現を目指すことが課題である。 また、平成13年11月に改正された「育児休業、介護休業等育児又は家族 介護を行う労働者の福祉に関する法律」(以下「育児・介護休業法」という。) の円滑な施行を図り、労働者が仕事と育児・介護を両立しやすくすることが課 題となっている。 特に、労働者が育児休業から復帰した後に働き続けやすくするため、子育て に必要な時間を確保しやすい柔軟な働き方ができる勤務時間短縮等の措置や子 の看護のための休暇制度の早期導入を図ることが重要となっている。 さらに、雇用・就業形態の多様化に伴う課題に対応するため、パートタイム 労働者に対する通常の労働者との均衡等を考慮した適正な労働条件の確保及び 雇用管理の改善、在宅ワークの健全な発展のための施策の推進が重要となって いる。 加えて、現下の厳しい雇用情勢にかんがみ、女性であることや妊娠・出産等 を理由とする差別的解雇、昇進・昇格における男女差別的取扱い、育児休業や 介護休業の取得等に係る相談への的確な対応を図ることが一層重要になる。