タイトル:労働経済動向調査(平成12年11月)結果速報

     ・常用労働者雇用過剰感さらに弱まる

     ・雇用調整実施事業所割合は引き続き低下



発  表:平成12年12月11日(月)

担  当:労働大臣官房政策調査部産業労働調査課

                 電 話 03-3593-1211(内線5667、5249)

                     03-3502-6729(夜間直通)

I 調査の概要



  この調査は、生産、販売活動及びそれに伴う雇用、労働時間などの現状と今後の短期的

  見通しなどを把握するため、全国の建設業、製造業、運輸・通信業、卸売・小売業, 飲食

  店、金融・保険業、不動産業及びサービス業に属する常用労働者30人以上を雇用する民

  営事業所5,342事業所を対象として、年4回実施(通信調査方式)しているもので、

  平成12年11月1日現在の調査結果である。

 (回答事業所数3,121、回答率58%)





(注)1 平成11年2月の調査から、調査対象産業を従来の5産業に金融・保険業、不動

    産業を追加し7産業とした。

   2 「生産・売上判断D.I.」、「所定外労働時間判断D.I.」、「雇用判断D.I.」

    とは、前期と比べて増加と回答した事業所の割合から減少と回答した事業所の割合

    を差し引いた値(センサス局法X-12-ARIMAのなかのX-11デフォルトによ

    る季節調整値)。また、季節調整値は、毎年5月結果発表時に、過去に遡って改訂

    する。

   3 「労働者過不足判断D.I.」とは、不足と回答した事業所の割合から過剰と回答

    した事業所の割合を差し引いた値である。

   4 統計表に用いている数値は、「0」は単位未満の比率を示し、「−」は調査客体

    がないものを示す。





II 調査結果

	

【 骨 子 】



1 生産・売上 



  生産・売上判断D.I.(平成12年7〜9月期実績)は、製造業でプラス10ポイント、

  卸売・小売業,飲食店でマイナス7ポイント、サービス業でプラス4ポイントとなった。

  また、製造業は12年10〜12月期実績見込、13年1〜3月期見込ともプラスとなっ

  ている。卸売・小売業,飲食店は12年10〜12月期実績見込、13年1〜3月期見

  込でマイナスながらその幅は縮小している。サービス業は12年10〜12月期実績見込、

  13年1〜3月期見込とも0ポイント前後となっている(第1図第1表)。





 2 所定外労働時間



  所定外労働時間判断D.I.(12年7〜9月期実績)は、製造業でプラス14ポイント、

  卸売・小売業,飲食店でマイナス2ポイント、サービス業でプラス5ポイントとなった。

  また、12年10〜12月期実績見込及び13年1〜3月期見込は製造業、卸売・小売

  業,飲食店及びサービス業とも0ポイント又はマイナスとなっている(第2図第1表)。 





3 雇 用 



  常用雇用判断D.I.(12年7〜9月期実績)は、製造業でマイナス8ポイントと平成

  5年4〜6月期(マイナス7ポイント)以来高い水準となったほか、卸売・小売業,飲食

  店でマイナス13ポイント、サービス業でマイナス4ポイントと3産業とも前期に比べて

  マイナス幅が大きく縮小した。また、12年10〜12月期実績見込及び13年1〜3月

  期見込は製造業で、7〜9月期実績と同水準となっているものの、卸売・小売業,飲食店

  ではマイナス幅が縮小し、サービス業ではそれまでのマイナスから0ポイントになってい

  る(第3図第1表)。 





4 労働者の過不足状況 



  11月現在の全労働者過不足判断D.I.では、プラス2ポイントと平成10年2月調査

  (プラス6)以来、2年9ヶ月ぶりにプラスとなった。

   雇用形態別の労働者過不足判断D.I.を調査産業計についてみると、常用労働者はマイ

  ナス2ポイントと4期連続でマイナス幅が縮小し、過剰感は弱まっている。一方、臨時・

  季節はプラス6、パートタイムはプラス12ポイントと不足感が続いている。また、常用

  労働者過不足判断D.I.を産業別にみると、「不動産業」を除く他の産業で雇用過剰感が

  弱まっている(第5図第2−1表)。





5 雇用調整



  雇用調整を実施した事業所割合(12年7〜9月期実績)は、調査産業計では20%と

  引き続き低下した(20%以下となるのは平成9年7〜9月期(19%)以来)。産業別

  にみると卸売・小売業,飲食店、不動産業は横ばい、その他の産業では低下した。

   雇用調整の実施方法は、調査産業計では「残業規制」(11%)の割合が最も高く、

  次いで「配置転換」(7%)、「出向」(6%)の割合が高かった。

   今後の雇用調整実施予定事業所割合は、12年10〜12月期、13年1〜3月期とも

  20%となっている(第8図第10図第4表)。





6 中途採用



  「中途採用あり」とした事業所割合(12年7〜9月期実績)は調査産業計で、44%

  と前年同期(11年7〜9月期実績)と比べ4ポイントの上昇となっており、なかでも製

  造業では、42%と9ポイント上昇した(第5表)。





7 事業の見直しと雇用面での対応



  過去1年間に事業の見直しを実施した事業所割合は調査産業計で34%と前年同期と比

  べ2ポイント低下している。産業別では製造業(39%)で実施した事業所割合が高かっ

  た。また、前年同期と比べると、運輸・通信業、金融・保険業で大きく減少した。今後1

  年間に実施する予定の事業所割合は30%となっている(第6表)。

   事業の見直しを実施した事業所における見直し方法は「組織再編成による管理事務部門

  の縮小」、「不採算事業部門の縮小」の割合が各9%と最も高く、前年同期と比べると、

  それぞれ3ポイント及び2ポイント減少している(第7表)。

   事業の見直しに伴う雇用面での対応方法は、「配置転換」13%(前年同期15%)が

  最も高く、「新規学卒採用の抑制」9%(同12%)となっている。(第8表)。



	

 

 

III  調査結果


                                  TOP

                             労働省発表資料一覧