タイトル:平成12年賃金構造基本統計調査結果速報(初任給) 初任給の変化は小幅となっている 男性高卒の伸び率は初めてマイナス 発 表:平成12年11月22日(水) 担 当:労働大臣官房政策調査部統計調査第二課 電 話 03-3593-1211(内線5675・5279) 03-3502-6730(夜間直通)
I 調査の概要 1 この調査は、我が国の賃金構造の実態を明らかにするため、毎年6月分の賃金 等について実施しているものであり、調査対象は、日本標準産業分類による9大 産業(鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、運輸・通信業、卸売・ 小売業,飲食店、金融・保険業、不動産業及びサービス業)に属する5人以上の 常用労働者を雇用する民営事業所及び10人以上の常用労働者を雇用する公営 事業所から抽出した約7万1千事業所である。 2 本速報は、このうち10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所約4万4千事 業所の中で新規学卒者(平成12年3月に中学、高校、高専・短大又は大学を卒業 した者)を採用した約1万5千事業所の初任給の結果をとりまとめたものである。 (注) 本調査の初任給は、通常の勤務をした新規学卒者の所定内賃金(所定内労 働時間に対して支払われる賃金であって、基本給のほか諸手当が含まれてい るが、超過労働給与額は含まれていない。)から通勤手当を除いたものであり、 平成12年6月末現在で本年度の初任給として確定したものである。 なお、新規学卒者で平成12年6月末現在実際に雇用されている者のうち、本 年度の初任給が確定した新規学卒者の割合は95.0%であった。未確定(ベー スアップが決まっていない等のため確定していないもの)の5.0%については、 今回の集計対象外となっている。 II 調査結果の概要 【ポイント】 1 学歴別初任給 −男性高卒の伸び率は初めてマイナス−
男女計は、 | 大 卒 | 193,700円 | (対前年比 −0.3%) | |
高専・短大卒 | 165,900円 | ( 〃 0.6%) | ||
高 卒 | 153,100円 | ( 〃 −0.3%) | ||
男性では、 | 大 卒 | 196,900円 | ( 〃 0.2%) | |
高専・短大卒 | 171,600円 | ( 〃 0.8%) | ||
高 卒 | 157,100円 | ( 〃 −0.3%) | ||
女性では、 | 大 卒 | 187,400円 | ( 〃 −0.7%) | |
高専・短大卒 | 163,600円 | ( 〃 0.9%) | ||
高 卒 | 147,600円 | ( 〃 −0.5%) |
男女計では、高専・短大卒が前年を上回っており、大卒と高卒は前年を下回ってい る。変化はいずれも1%未満の小幅にとどまっている。男女別では、男女ともに高専・ 短大卒はわずかながら上回っているものの、高卒が前年を下回っており、男性の高卒 の伸び率は初めてマイナスとなり、女性の大卒の伸び率は昭和51年の調査開始以来 最大のマイナスとなった(第1表、第2表)。 2 企業規模別初任給 −小企業の男女各学歴の伸び率は前年を下回る− 男女とも大卒と高専・短大卒では大企業と中企業で前年を上回り、小企業で下回 っている。高卒では女性の大企業を除き男女各規模とも前年を下回っている(第3表)。 大企業を100として格差をみると、女性の大卒と高専・短大卒では中企業、男性 の高卒では中企業と小企業で大企業を上回り、男性の高専・短大卒では小企業が中企 業を上回っている(第4表)。 3 産業別初任給 −女性の高専・短大卒では各産業で製造業を上回る− 男女各学歴ともに金融・保険業を除くと格差は小さく、女性の高専・短大卒では各 産業で製造業を上回るようになり、男性も同様の傾向にある(第5表、第6表)。 また、男性は高専・短大卒と高卒の建設業が製造業より高く、女性は高卒の運輸・ 通信業、高専・短大卒と高卒の卸売・小売業,飲食店が製造業より高くなる傾向がみ られる(第6表)。 4 初任給の分布 −男性より女性のほうがやや散らばりが大きい− 男性は、大卒では19、20万円台で5割、高専・短大卒では15〜17万円台で 6割、高卒では15、16万円台で5割を超えている(第7表)。 女性は、大卒が17〜20万円台で7割、高専・短大卒では15〜17万円台で6 割、高卒では14、15万円台で5割を超えている(第7表)。 初任給の散らばりの度合いを十分位分散係数でみると、男性より女性のほうがやや 散らばりが大きく、男性の高専・短大卒が他の男女・学歴と比べてやや大きく散らば っている(第7表)。