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1 代替可能な石綿製品の範囲



 石綿製品の代替可能性の判断に当たっての留意点



 (1)原則として、個別の商品ごとでなく製品の種別ごとに判断する。



 (2)石綿代替品の範囲については、石綿以外の代替繊維を用いた製品のみならず、

    金属等の非繊維製品についても対象として考慮する。



 (3)次の製品については、代替が困難と判断する。

  (1)石綿代替品の使用により安全の確保が困難となるおそれがある石綿製品

  (2)石綿代替品がないか又はその性能等が石綿製品に比較して著しく劣り、当該

   石綿製品を使用しないこととした場合に社会的に許容しがたい問題となるおそ

   れがある石綿製品



  

2 建材の代替可能性



 (1)押出成形セメント板



   ・既に商品化されている非石綿製品があり、技術的に非石綿製品への代替化は

    可能である

   ・メーカー及びユーザーは石綿製品の使用が不可欠であると認識していない

   ・安全確保の観点から石綿製品の製造、使用等が必要という具体的理由は特に

    ない

   等から、代替化は可能と考えられる。





 (2)住宅屋根用化粧スレート



  ・既に商品化されている非石綿製品があり、技術的に非石綿製品への代替化は可

   能である

  ・メーカー及びユーザーは石綿製品の使用が不可欠であると認識していない

  ・安全確保の観点から石綿製品の製造、使用等が必要という具体的な理由は特に

   ない

  等から、代替化は可能と考えられる。





 (3)繊維強化セメント板

   メーカーにおいて製造設備、原材料、製造方法の変更等の必要がある場合があ

  るものの、



  ・既に商品化されている非石綿の繊維強化セメント板があること、金属等の非繊

   維製品への代替化も可能であると考えられること等から、技術的には非石綿製

   品への代替化は可能である

  ・関連のJIS等の改正により、非石綿製品への代替化が促進されやすい状況に

   なっている

  ・ユーザーは安全確保の観点から石綿製品の使用が不可欠とは認識していない

  ・安全確保の観点から石綿製品の製造・使用等が必要という具体的な理由は特に

   ない

  等から、代替化は可能と考えられる。





 (4)窯業系サイディング



  ・既に商品化されている非石綿製品があること等から、技術的に非石綿製品への

   代替化は可能である

  ・ユーザーは石綿製品の使用が不可欠とは認識していない

  ・安全確保の観点から石綿製品の製造・使用等が必要という具体的な理由は特に

   ない

  等から、代替化は可能と考えられる。





 (5)石綿セメント円筒



  ・金属、ほうろう等の製品が普及しつつあり、非石綿製品への代替は可能である

  ・ユーザーは石綿製品の使用が不可欠とは認識していない

  ・安全確保の観点から石綿製品の製造・使用等が必要という具体的な理由は特に

   ない

  等から、代替化は可能と考えられる。



  

3 非建材の代替可能性



 (1)断熱材用接着剤



  ・既に商品化されている非石綿製品があり、技術的に非石綿製品への代替化は可

   能である

  ・メーカー及びユーザーは石綿製品の使用が不可欠であると認識していない

  等から、代替化は可能と考えられる。





 (2)耐熱・電気絶縁板



   セラミック等の非石綿製品への代替化が可能なものがあると考えられるが、一

  部のものについては、安全確保の観点から石綿の使用が必要とされており、現時

  点で代替可能なものと代替困難なものを温度等の使用限界や使用される機器の種

  類等から明確に特定することは困難である。





 (3)ジョイントシート・シール材



   黒鉛等の非石綿製品への代替化が可能なものがあると考えられるが、一部のも

  のについては、安全確保の観点から石綿の使用が必要とされており、現時点で代

  替可能なものと代替困難なものを温度等の使用限界や使用される機器の種類等か

  ら明確に特定することは困難である。これらの代替化には、非石綿製品の開発、

  非石綿製品の耐久性等の実証や当該製品が使用されている機械・設備等の設計の

  見直し・改造等に時間を要するものがあると考えられる。





 (4)その他石綿製品



  (1)摩擦材(ブレーキ、クラッチ)



   ・メーカーは石綿製品の使用が不可欠であると認識していない

   ・自動車、鉄道車両、クレーン、エレベータ、エスカレータ等のブレーキ、ク

    ラッチについては、既に代替化されているか、今後代替化が予定されており、

    技術的には代替化が可能である

   等から、代替化は可能と考えられる。





  (2)石綿布、石綿糸等



    これらの製品はシール材等として使用されるか、二次的にシール材等に加工

   されることから、シール材等の代替可能性に連動すると考えられる。

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