タイトル:平成11年賃金構造基本統計調査結果速報(初任給) 初任給の伸び率は引き続き低い水準 発 表:平成11年11月25日(木) 担 当:労働大臣官房政策調査部統計調査第二課 電 話 03-3593-1211(内線5675・5259) 03-3502-6730(夜間直通)
I 調査の概要 1 この調査は、我が国の賃金構造の実態を明らかにするため、毎年6月分の賃金 等について実施しているものであり、調査対象は、日本標準産業分類による9大 産業(鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、運輸・通信業、卸 売・小売業,飲食店、金融・保険業、不動産業及びサービス業)に属する5人以 上の常用労働者を雇用する民営事業所及び10人以上の常用労働者を雇用する公 営事業所から抽出した約7万1千事業所である。 2 本速報は、このうち10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所約4万6千 事業所の中で新規学卒者(平成11年3月に中学、高校、高専・短大又は大学を 卒業した者)を採用した約1万7千事業所の初任給の結果をとりまとめたもので ある。 (注) 本調査の初任給は、通常の勤務をした新規学卒者の所定内賃金(所定内労 働時間に対して支払われる賃金であって、基本給のほか諸手当が含まれてい る。)から通勤手当を除いたものであり、平成11年6月末現在で本年度の 初任給として確定したものである。なお、確定した者の割合は94.6%で あった。 II 調査結果の概要 【ポイント】 1 学歴別初任給 −引き続き低い伸び率にとどまっている− 男女計は、大 卒 194,200円(対前年比 0.8%) 高専・短大卒 164,900円( 〃 0.6%) 高 卒 153,500円( 〃 0.6%) 男性では、大 卒 196,600円( 〃 0.6%) 高専・短大卒 170,300円( 〃 0.9%) 高 卒 157,600円( 〃 0.7%) 女性では、大 卒 188,700円( 〃 1.3%) 高専・短大卒 162,200円( 〃 0.2%) 高 卒 148,300円( 〃 0.3%) 対前年比は、男女計では、1%未満の低い伸び率となっており、男女別では、 女性の大卒で1%を上回っているものの、男性の各学歴と女性の高専・短大卒、 高卒で1%未満の低い伸び率となっている(第1表、第2表)。 平成7年以降のこの5年間を男女別にみると、初任給の伸び率は、男性は 1.3%以下、女性は1.4%以下で、引き続き概ね1%以下の低い水準にと どまっている(第2表、第1図)。 2 企業規模別初任給 −男女とも大卒の小企業で2%を上回る− 対前年比は、大卒の小企業で男性が2.1%、女性が2.3%と、2%を上回 る伸び率となっているのを除くと、各企業規模の男女各学歴とも小幅な動きとな っている(第3表)。 3 産業別初任給 −男女とも大卒でサービス業が上位− 男性は、大卒でサービス業(200,200円)、高専・短大卒で建設業 (176,900円)、高卒で建設業(165,800円)が上位となっている。 女性は、大卒でサービス業(193,200円)、高専・短大卒でサービス業 (164,800円)、高卒で卸売・小売業,飲食店(152,100円)が上 位となっている。 この5年間でみると、各学歴とも総じて男性は建設業、女性は卸売・小売業, 飲食店が上位にある(第4表)。 4 地域別初任給 −南関東、東海、京阪神の3地域が高い− 男女とも総じて南関東、東海、京阪神の3地域で高くなっている(第5表)。 5 初任給の分布 −男性の大卒は19〜20万円台が5割以上− 男性の大卒は19万円台に33.8%、20万円台に22.1%と19〜20 万円台で5割を占めているが、女性の大卒は、19万円台に22.5%、17万 円台に20.1%、20万円台に16.4%、18万円台に15.5%と17〜 20万円台に散らばっている(第6表)。