年収ベースの賃上げを 経団連会長、働き方改革も要請/17年春闘が事実上スタート

[労使]

2017年春闘の事実上の幕開けとなる「経団連労使フォーラム」が23日、東京都内で2日間の日程で始まった。経団連の榊原定征会長はあいさつで、賞与や諸手当も含めた「年収ベースの賃金引き上げ」を会員企業に要請。また電通の女性新入社員の過労自殺問題も念頭に、「長く働くことを評価する日本特有の風潮を経営者トップが先頭に立って変えていく」との決意を示し、「働き方改革」への協力を求めた。同日午後には連合の神津里季生会長も講演する。

安倍政権は17年春闘に向け、経済界に4年連続で賃上げを要請。「少なくとも前年並み」の賃上げを求め、特に基本給を底上げするベースアップ(ベア)の実施を促した。

昨年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利して以来、大幅な円安と株高が進み、企業の収益環境は好転。榊原会長は「この追い風の中、日本経済も回復の足取りを強めていく」との認識を示した上で、「デフレからの脱却と持続的な経済成長の実現に向け、賃上げの勢いを継続しなければならない」と強調した。

ただ、トランプ新大統領の保護主義的な言動や中国経済減速への懸念などリスク要因は多く、企業経営者は固定費が増加するベア実施に慎重だ。今後の労使交渉では、賞与なども含めた年収全体での賃上げにとどめようとする経営側と、ベア獲得にこだわる労組側との間で激しい攻防が繰り広げられそうだ。

今春闘では、各企業が長時間労働の是正など「働き方改革」にどう取り組むかも注目される。労使は所定労働時間の短縮のほか、非正規社員の賃上げや介護離職予防策の導入などに関しても協議する。

(時事通信)
2017年1月23日