ヤマト、宅配便27年ぶり値上げ 収益改善へ、他社追随も

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宅配便最大手のヤマト運輸が9月をめどに、27年ぶりに基本運賃を引き上げる方針を固めた。背景には、インターネット通販の急拡大により宅配便の取扱量は急増したものの、荷物1個当たりの単価が安く、かえって収益が悪化したことがある。ヤマトは収益改善に向け基本運賃を5~20%程度値上げする方向で、他社が追随する可能性もある。

親会社のヤマトホールディングスの2017年3月期連結決算は、純利益が190億円と前期の394億円からほぼ半減する見通し。従業員約4万7,000人の未払い残業代190億円の支給が主な減益要因だ。

ヤマトはネット通販による取扱量急増を受けてドライバーを増やしているが、補充が追い付かずサービス残業が常態化。昨年は労働基準監督署から残業代の未払いがあったとして是正勧告を受けており、過去2年分のサービス残業代を支払うことにした。

また、年末など繁忙期は荷物をさばき切れず、赤字覚悟で配送を外部に委託。これも業績悪化の一因となっている。

このため、大幅割引を適用してきたアマゾンジャパン(東京)など大口顧客に対しては、個人向けの上限(20%程度)を超える値上げ率にすることも検討。「荷物を運べば運ぶほど利益が減る経営体質」からの脱却を目指す。

さらに、値上げで得た収益で従業員の待遇を改善する方針。これにより、ドライバーに対するイメージを向上させ、今後の人材確保や宅配便のサービス水準の維持につなげたい考えだ。

(時事通信)
2017年4月25日