米消費者物価、6.2%上昇 31年ぶり高水準/10月

[海外]

米労働省が10日発表した10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.2%上昇した。伸びは前月(5.4%)から大幅に加速、1990年11月以来約31年ぶりの高水準となった。市場予想の5.8%も上回り、強いインフレ圧力が続いていることが示された。

新型コロナウイルス感染抑制措置が解除され、経済活動の再開に伴って需要が一気に膨らむ一方、供給が追い付かないことが物価を押し上げた。変動の激しいエネルギーと食料品を除いた指数も4.6%上昇(前月4.0%上昇)と、91年8月以来30年ぶりの大きな伸びとなった。

中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は、今月の金融政策会合でコロナ危機発生直後に導入した量的金融緩和策の縮小を決めた。想定を超えるインフレ高進を受け、早期の利上げに踏み切るとの観測が広がりそうだ。

項目別ではエネルギーが30.0%と急上昇。半導体不足で自動車生産が停滞していることを背景に、新車が9.8%上昇と75年以来の高い伸び率となった。中古乗用車・トラックも26.4%と大幅に上昇した。

(ワシントン時事)
2021年11月10日