アマゾン労組、結成ならず 従業員の反対多数

[海外]

米インターネット通販大手アマゾン・ドット・コムがアラバマ州ベッセマーで運営する物流倉庫の従業員らが、労働組合結成を問う投票を実施し、9日に反対多数で否決された。全米で第2位となる80万人超の従業員規模を誇るアマゾンで、労組が結成されるか注目されていた。

投票実施の背景には、過酷な労働環境の是正を求める声が高まったことがある。アマゾンは新型コロナウイルス禍で加速した巣ごもり消費を追い風に利益を伸ばす一方で、感染対策の強化が不十分として従業員が各地でストライキを起こしていた。

投票は郵便で3月29日まで実施。独立政府機関の全米労働関係委員会(NLRB)が今月9日、反対が1,798票となり、賛成738票を大きく上回ったとの集計結果を発表した。

今回の従業員投票を後押しした小売り産業の労組RWDSUは、アマゾン側の不当介入があったとして不服を申し立てる方針を表明。一方、アマゾン側は結果を受け声明を公表。従業員への圧力を否定した上で、「従業員自身が反対票を投じる選択をした」と主張した。

(シリコンバレー時事)
2021年4月10日