米雇用、91万6,000人増に加速 失業率は6.0%に改善/3月

[海外]

米労働省が2日発表した3月の雇用統計(季節調整済み)は、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数が前月比91万6,000人増と、2020年8月(158万3,000人増)以来7カ月ぶりの大きな伸びとなった。失業率は6.0%と0.2ポイント改善。景気回復が勢いづいており、インフレ加速への懸念が強まりそうだ。

就業者数の伸びは前月(46万8,000人、改定)から加速し、市場予想(64万7,000人)を大幅に上回った。新型コロナウイルス危機への経済対策やワクチンの普及が経済活動を押し上げ、好調の目安とされる20万人を3カ月連続で超えた。職探しをする人が増えたため、失業率の低下は小幅にとどまった。予想は6.0%。

レストランの営業規制が緩和されるなどし、対面の仕事が多いサービス業の雇用改善が進んだ。一方、サプライチェーン(供給網)の障害に直面している自動車・部品の雇用は低迷が続いた。

コロナ危機直後の20年3、4月に失業した約2,200万人のうち、復職したのは6割強にとどまっている。失業率も危機前(3.5%=20年2月)を大きく上回ったままだ。

ただ、約1兆9,000億ドル(約210兆円)の追加経済対策が3月に発動されたことで、景気と雇用の回復に弾みがつくとの見方が多い。インフレ率が急上昇し、中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)が市場の見込みより早く金融引き締めに動くとの警戒感もある。

(ワシントン時事)
2021年4月2日