米景気「緩やかに拡大」 判断を上方修正/景況報告

[海外]

米連邦準備制度理事会(FRB)は3日公表した全米12地区の連銀景況報告(ベージュブック)で、1月から2月中旬までの景気は「大半で緩やかに拡大した」との認識を示し、1月の前回報告から判断を引き上げた。新型コロナウイルスのワクチン普及が、企業の先行きへの楽観姿勢につながっているとも指摘した。

個人消費はばらつきが見られた。ニューヨーク地区はサービス業が低迷し「景気は悪化した」と報告した。ただアトランタやリッチモンド地区で観光産業が持ち直すなど、コロナ再拡大がピークを越え、景気全般は上向いていることをうかがわせた。

製造業は大半で緩やかに拡大した。原材料の供給網(サプライチェーン)の障害が生産活動に響いたとの観察があったほか、「供給網の障害と強い需要がコスト上昇につながっている」との報告もあった。雇用は緩やかに改善し、多くの企業が労働者の確保に苦労していると伝えられた。

報告は2月22日までに集められた情報に基づいて作成された。今月16、17両日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)での討議資料となる。

(ワシントン時事)
2021年3月4日