20年の中国GDP、2.3%増 主要国で唯一プラス

[海外]

中国国家統計局が18日発表した2020年の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除いた実質ベースで前年比2.3%増加した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の停滞が響き、伸び率は19年の6.0%から大幅減速。文化大革命末期の1976年(1.6%減)以来、44年ぶりの低成長となった。

20年初、湖北省武漢市から全土に広がった新型コロナの流行を受け、政府が厳しい移動制限や企業活動の停止に踏み切ったことで、1~3月期のGDPは前年同期比6.8%減に失速。ただ、早期の感染抑制に成功し、翌4~6月期には増加に転じた。10~12月期は6.5%増と、コロナ前の前年同期を超える水準まで回復し、通年でも主要国で唯一のプラス成長を維持した。

中国経済をけん引したのはインフラや不動産開発投資だ。政府はインフラ整備の財源となる地方特別債の発行枠を1.7倍に増やすなどして景気の下支えを図った。幅広い投資動向をカバーする20年の都市部固定資産投資は2.9%増で、GDPを上回る伸びとなった。

また、マスクや防護服、在宅勤務用のパソコンなどのコロナ特需にも支えられ、外需が堅調に推移。工場の操業も正常化が進み、鉱工業生産は2.8%増加した。一方、コロナに対する根強い警戒感や雇用への懸念が消費者心理の重しとなり、小売売上高は3.9%減と落ち込んだ。

国家統計局の寧吉哲局長は記者会見で「20年の経済は安定的に回復した」と強調した。

20年12月の小売売上高は前年同月比4.6%増、鉱工業生産は7.3%増だった。

(北京時事)
2021年1月18日